柴田よしき著「あんの青春 ~若葉の季~」角川春樹事務所刊を読んだ。
「お勝手のあん」「あんの青春」に続く第三巻目で、女衒屋に売られるところだった幼女がひょんな間違いで、優しい宿屋の主人に拾われ、その後幸せな人生を送るという、読んでいてほっこりする話。
読むうちどんどん心が和みとても気持ち良くなる小説だ。
時代背景が、ちょうどNHKの大河ドラマ「青天を衝け」と同じ幕末の頃の話。
料理の「味」と「匂い」に対するおやすの並外れた感性に気付いた御主人が、それを見込んで紅屋の凄腕料理人の元で料理修行をさせる。
この凄腕料理人がまた優しい。亡くした我が子に似ているということで、精一杯の愛情を注いでおやすに料理のいろはを教えていく。
そんな中で素直に育っていくおやすが年頃の娘になったエピソードが本書のストーリー。
あまり本を読まないキャツ(はい、妻です)も、このシリーズだけは「3冊とも面白い」と一週間も経たないうちに読破してしまった。
今では主人公のおやすのことを、
「おやすちゃん、どんな料理を作るかね~。」
なんて私と話すようになった。
まあ、料理の歴史的トリビアも豊富に出てきて読んで楽しい本でした。
おしまい