ヒラメのバケ釣りの竿の振り方には複数のパターンがあります。説明しやすくするため、竿の振り方の幅やスピードに着目すると、以下の三パターンに別れます。

パターンA 竿を小さめかつ速めに振る。
パターンB 竿を大きめにかつ遅めに(ゆったりと)降る。
パターンC 竿を小さめかつ遅めに降る。

 さらに竿を頂点まであげた後ラインをフリーにするか、テンションを保つかに着目してパターン分けします。

パターン1 フリーフォールさせる
(竿先を弾くようにしゃくり、糸のたるみを作り自然な感じで落下させる)

パターン2 テンションフォールさせる
(糸の張りを保ったままそのまま落とす)

 パターンA、Bとパターン1、2はそれぞれ組み合わせて使います。
 よく使うのが、A&1のパターンとB&2のパターンになります。なお、B&1やC&2のパターンもたまに使います。これ以外の組み合わせはまず使わないと思います。

 それでは各パターンについて一つ一つ簡単に説明していきます。

◎A&1のパターン 
 潮が軽くて竿を振りやすいとき(降ってて水中の抵抗が弱いとき)、波が穏やかなときに使う。最近の主流の振り方。このパターンは短めの竿(2.1メートル以下)のほうがやりやすい。
 こういうときは絡まない程度に早めに小刻みに降った方が、エサがビュンビュンとよく動くためヒラメから見て(おそらく)魅力的に見えるし、超~用心深いヒラメに見切られないで済む。またフリーフォールさせることで、エサがよく動くし、フォール中のヒットも増える。バケ釣りもルアー釣りの一種なので動きが大事なのです。 
 ちなみに特に小型サイズのヒラメが数多く釣れる振り方である。

◎B&2のパターン
 潮が重くて竿が振りにくい時、うねりがある時などに使う。このパターンは長めの竿の方がやりやすい(2.4メートル以上)。
 潮が重いときは、速く降ってもハリスが絡んで釣りにならないし、潮流が速い状態とイコールであることからヒラメがエサに追いつけず、ヒットしなくなる。またうねりがあると、竿を大きく降らないとバケが動かず、結果エサのオオナゴ等もうまく泳いでくれず釣れなくなる。
 また、凪いでいる時同様にフリーにフォールさせると絡みやトラブルの原因になるし、なにより当たりがとりにくくなる。
 そこで、大きくゆったりと振り、テンションフォールさせるわけです。
 あと、大きくゆったり振った方が経験的に大物のヒラメに受けが良い気がします。大物は図体がでかいので機敏に動けないからでしょうか。
 なお、太平洋のマスのバケ釣りでは今もこの振り方が主流です。
 
 長くなったので、残りのパターンについては次回記述します。