僕は名古屋市民ではないので、正直あまり情報を持っていないのだが、率直な感想を言えばそこに何があるのか全く理解出来ない。
そこで名古屋市のホームページの内『地域委員会』から文章を抜粋して考えてみた。
本市では、住民に身近な組織である町内会・自治会に加えて、昭和40年代以降、地域と市区行政のパイプ役として広報広聴活動等を行う「区政協力委員」や、小学校区内の各種地域団体等の連絡協議組織である「学区連絡協議会」が中心となって住民自治が進められてきました。
しかし、近年では、これまで地域で取り組んできた事柄のほかにも、様々な課題が出現しています。難しい地域課題の解決のためには、地域の事情に詳しい学区連絡協議会や町内会・自治会と、専門性を有するNPO、企業など多様な主体がお互いの強みを活かして、連携して取り組む仕組みが必要になってきます。
そこで、「地域のことは地域で決める」という理念のもと、地域課題を解決するために、投票で選ばれた委員を中心に公開の場で話し合い、本市予算の一部の使い途を決める“新しい住民自治の仕組み”として「地域委員会」の創設を目指しています。
地域委員会は、地方自治法(地域自治区制度)によらない本市独自の仕組みです。
委員の選任
【委員の構成】
住民の投票で選ぶ「公募委員」と、地域団体から推薦され、住民の信任投票で選ぶ「推薦委員」で構成。(非常勤特別職、任期2年、報酬なし)
【委員定数】
地域の人口規模に応じて7人、9人、11人(各定数のうち公募委員が推薦委員より1人多い構成)
地域予算
【地域予算の基本的な考え方】
地域予算の使い途は、地域課題を住民・地域と協働して解決するものであり、地域や行政にとって新たな取り組みや、これまでの取り組みの充実・強化を図るものとする。
【限度額】
地域の人口規模に応じて500万円、1,000万円、1,500万円
【地域予算の使い途】
- 地域内の安心、安全の確保
- 地域特性を生かしたまちづくりや地域魅力の創出 など
【地域予算の対象から除外するもの】
- 営利目的、宗教及び政治に関わるもののほか、私的な財産を形成するものや公共の利益を害するもの
- 国、愛知県など市以外に決定権限のあるもの
- 既存の市補助金や地域の自主財源の巻き替えを図るもの など
支援体制
地域委員会の円滑な運営を支援するため、区役所が事務局となり、関係部署との調整などを行う
-以上抜粋ー
これを見て感じたのは『地域委員』を選出しなくても、この程度の事は違った施策で実施が可能だと言う事です。
【地域予算の使い途】に明記された内容や【地域予算の対象から除外するもの】に明記された制限があるのなら、現存する団体(地域を構成する団体)が地域委員会の役割を担えば良いのではないだろうか?
例えば『地域活性化助成金制度』とかで充分です。
仮に近年崩壊した地域共同体の再構築の一手と考えているのであれば、この手法はまさに現存団体に近い組織を増やすだけに過ぎないと考えます。
私見ですが、新たな地域共同体の確立に必要な条件は、町内や学区の括りではなく、互いの共感や賛同だと思います。
新たな地域共同体の姿は地域毎ではなく、分野毎の共同体が広域でカバーする姿だと思います。
そして地域委員会を構築するよりは、NPOやボランティア団体など分野毎に活動されている団体に目を向け、支援する方が得策と考えます。