日焼け | この先の行く末~お客が男になった時~

日焼け

『やっぱり、焼けちゃったよ』



そう言う私に


『お帰り』と言いながら彼は、私の身に付けているものを一枚ずつ剥いでいく。


『でも、焼けた跡、無いじゃない』



笑いながら、全て剥いでしまった後に彼は言う。


私の体にも、そして心にも焼け跡すら残さなかったバカンス。


残っているのは、苦々しい思い出と、男に対しての冷え切った心だけだ。


そこに、焼けてもいない彼の肌が重なり、彼の体温が流れ込むと、それらは私を熱くし、いつしか冷えた心も溶け出していた。