スニーク初日と本当の初日、ダッフィーデイで見てきました。スニーク初日はかなり良い位置で、本当の初日はちょっと見にくい位置で、ダッフィーデイはDPAで。とっても良かったので、その感想をつらつらと書きますね。


○始めまして、よろしくね
    ディズニーシー・シンフォニー、ブラヴィッシーモ!、ファンタズミック!に続く
4代目ナイトショーとして始まったビリーヴですが、本来は20周年の目玉としてスタートするショーでした。しかし、コロナ渦のパークではなかなか公演に踏み切ることができず……20周年が完了した後の11月11日からスタートすることになりました。
    なぜこの日になったのか、正直言うと良く分かりません笑。ただ、パークに新しい記念日が登場したのは嬉しいこと。これから僕たちは、11月11日を迎える度に始めて見たときの感動を思い出すのでしょうね。
    新規ショーが始まる毎にパワーアップしてきたナイトショーですが、今回のビリーヴでは新たな技術として「ミラコスタのプロジェクションマッピング」を手に入れました。メディテレーニアンハーバー全体を使ったショーへと変貌したビリーヴ。目のやり場がありすぎて本当に困りました。今となってはプロジェクションマッピングはありふれた技術ですが、始めてワンスを見たとき、始めてミラージュを見たときの感動は今でも覚えています。当たり前になってしまいましたが、相当な技術ですよね。今回はミラコがスクリーンなわけですし。今後、このショーを毎日やっていくと思うと恐ろしいですね……。そりゃ、入園料も値上げするよ。
    昔よりも入園料が上がっている、っていう聞き飽きた批判があるのですが、目に見て分かるくらいに技術が上がっているので妥当だと思いますよ(個人的には)。僕が小学生の頃やってたブラヴィはもちろん素晴らしかったのですが、ズミックやビリーヴにはどうしても劣ります(個人的には)。エリアも増えていますもんね。
    少し話は逸れましたが、ビリーヴは今後もディズニーシーを代表するナイトショーとして多くの人に愛に愛されていくのでしょうね。


○3Dプリンセス、参戦
    今回のビリーヴですが、最近のディズニーアニメからの引用が多いのが特徴のひとつだと思っています。ディズニーは、通算50作品目のラプンツェルを境に3Dアニメーションへと大きく舵を切りました。ちなみにひとつ前は、プリキスです(プリキスはとんでもない名作です!奇しくも日本での知名度は低いですが、この作品が知られていないのが悔しすぎます。お時間があれば是非とも……)。
    今回はそんな3Dアニメーションの作品からの採用率がとても多いです。パーク初登場となるモアナを筆頭に、ラプンツェル、リメンバー・ミー、そしてアナ雪2。2Dはピーターとリトル・マーメイド、アラジンの3つ。比較的新しめ作品が多いのは嬉しいですね。何よりも、ディズニーシーにはモアナが良く似合う。
    一方で「見ていない人は分からないんじゃないか」という意見が出ていて、なるほどなと思いました。比較的新しい作品が多いということは、見ていない人も多いということ。僕はボロボロ泣きながら見ていたので気がつかなかったですが、知らない作品がひとつでもあったら置いてけぼりされてしまうのですね……。これはランドで良く起きる事象なのですが、ついにシーでも発生するようになったのですね。まぁ、そう言った視点で言えばズミックでも同じことが起きてそうですが、あちらはショー自体にストーリーがあるので問題なかったのかもしれませんね。
    ですが、知らなくても十分楽しめるようになっているので(たぶん)ご心配なく。ここがディズニーパークの凄いところで、ディズニー映画を知らなくても、BGSを知らなくても十二分に楽しめてしまうのが素晴らしいところなのです。知ってたらもっと楽しいよ、っていうほうが正しいのかもしれないですね。
    なので、普通に楽しいビリーヴをもっと楽しみたいならこの辺りの映画を観ることをオススメしたいです。時間がないよ!っていう人がいたら、音楽だけで良いので聞いておいてください。ディズニー世界の魅力は音楽に詰まっています。


○ウェンディの物語
    シー・オブ・ドリームス、それはたくさんの夢が集まる場所。ネバーランドからの帰り道、ピーターはウェンディをシー・オブ・ドリームスへ連れていきます。ピーターは「信じることで願いは叶う」と信じています。だからピーターは空を飛べて、ウェンディはそんな彼に憧れ「あなたみたいに空を飛びたいわ」と、願いを伝えます。
    ここ、凄く重要なので覚えておいてくださいね。初見のときはストーリーを追えないくらい興奮して泣いていたのでセリフまでは追えませんでしたが……あとあとに響いてくる重要なキーワードです。
    映画「ピーター・パン」は永遠の名作だと思います。もちろん不適切なセリフ・表現もあったりしますが、今見ても本当に面白いです。昔、他の人のブログで「ピーター・パンは、ウェンディの成長談だ」という話を読んで、なるほどなと共感した覚えがあります。ウェンディの憧れだったピーターですが、ネバーランドでのピーターは子供ぽくって野蛮。そしてティンクの気持ちを理解できずウェンディやジョン、マイケル、ロストボーイを危険な目に合わせてしまいます。ウェンディは次第にピーターへの憧れが薄らいでいき「ここにいると野蛮な人になるわ」と言い、元の世界へ戻ることを提案します。何より、海賊の入江あたりから空を飛ぶことが下手になっていきます。
    空を飛ぶのに必要なのは「楽しいことを考えること」と「もっと信じること」の2つです。ウェンディは次第にこれらの気持ちを忘れてしまいます。そして、ロストボーイや自分の弟のためにお母さんの代わりをするなど精神的な成長を遂げます。永遠に子供のままでいれるネバーランドを経て、ウェンディは大人へと成長するのでした。これがピーター・パンの物語、ウェンディの物語なのです。
    そんなネバーランドでの出来事を終えてロンドンへ帰省中のウェンディが見せる、「最後の子供っぽさ」がビリーヴのフィナーレへと繋がるのです。


○アラビアンナイト
    さて、シー・オブ・ドリームスで始めて見る物語は「アラジン」の世界。アラビアンナイトからひと足お先にが流れたあと、アラジンが魔法のランプを擦るとあら不思議、ランプの魔神ジーニーが登場します。そして、フレンド・ライク・ミーが流れます。ここがラップバージョンになっていてテンションが上がる上がる!
    アラジンはホール・ニュー・ワールドが名曲過ぎるので忘られがちなのですが、名曲揃いなんですよね。アリ王子のお通り、とかも好きです(ハピネス・イズ・ヒアでのアレンジが凄く好き!)。中でもフレンド・ライク・ミーは山寺さんが一発で録音したのが信じられないくらいの完成度でとにかく良きです。色んなアレンジあったけど、ラップバージョンはあまり聴かないので楽しかったです。


○最初の一歩
    お次はラプンツェルが塔から出て地面に足を着く場面。自由への扉のリプライで、ラプンツェルが外の世界への不安と希望を歌うシーン。映像が効果的に使われており、ラプンツェルと同じ気持ちになれます。私情を挟んでしまい本当に申し訳ないのですが、僕はラプンツェルがとても好きなのでこの場面は未だに落ち着いてみれていません……細かいところはまた今度……


○風間先生
    さて、次はリメンバー・ミーのシーン。ここのプロジェクションマッピングが凄く良かったなぁ。ミゲルがギターを盗むところがプロジェクションマッピングで描かれいて、ミゲルが現れるとハーバーは一気に死者の世界に変わります。ここが本当に綺麗だった。そして流れる、音楽はいつまでも!ヒルナンデスの風間先生と同じリアクション取りましたよ。これを聞けただけでも見に来た甲斐がありましたね……
    この曲って、リメンバー・ミーの一番最後に流れることに意味があるんですよね。最強のエンディングですよ。


○プリンセス三重奏
    次はリトル・マーメイド。エリックを助けたアリエルが再び海へ戻る場面。僕は数あるディズニー音楽の中でも「パート・オブ・ユア・ワールド」が一番好きなので、これが流れるだけで必ず泣きます。パッと映像が流れた際に「あっ、このシーンなら耐えれるだろ。本パートじゃないし」と思ったのですが、やっぱり泣きました。恥ずかしい。
    ビリーヴの初日スニークを見に行く前、職場の先輩と後輩に「パート・オブ・ユア・ワールドは必ず流れるから一回は確定で泣く。マジカルミュージックワールドでは三回泣いてしまったから、それも含めて三回は泣かないようにする」と意味のない宣言をしましたが、無駄な足掻きでした。少しメロディが流れただけで泣く始末なので到底無理でした(このあと普通にパート・オブ・ユア・ワールドが流れたので、普通に泣きました)。結果1回しか泣かなかったので目標達成ですが、30分間ずっと泣いていたので、試合に勝って勝負に負けましたね。隠していましたが、最初にこのショーのテーマ曲が流れた時点で泣いています。
    で、アースラー様が出勤された後は、キス・ザ・ガールが流れます。プロジェクションマッピングを駆使するとあら不思議、メディテレーニアンハーバーがあの入江へと様変わり。アリエルとエリックの距離が近すぎる!興奮して倒れそうになっていたら、ラプンツェルとユージーン、アラジンとジャスミンのスーパーカップルたちが表れてもっと興奮しました。そして、マジカルミュージックワールドでもあった、プリンセス三重奏がここでも聞けるなんて……。

○挫折
    泣きすぎておかしくなっていたら、シリアスシーンの雨あられ。モアナとマウイが仲違いする場面は何度見ても悲しい。その後も挫折しそうになるシーンが続き、エルサ姉さんが登場。ティ・カァとモアナの戦いにエルサ姉さんが介入するという大興奮するシナリオがありつつ、諦めず願い続けることで夢は叶うと教えてくれます。
    良くシンデレラは「顔が良いだけだ」と言われますが、それを聞く度にシンデレラを見たことないのかよとちょっと怒りたくなります。シンデレラは酷いいじめを受けても挫けず優しい心を持ち続け、夢を信じ続けたのでフェアリーゴッドマザーが表れたのです。もしシンデレラの心が荒んでいたら、彼女を応援してくれる動物たちにも会えなかったはず。待ってるだけで夢が叶うなんて、そんな生半可なことはディズニー作品では起きません!


○ウェンディの物語
    シー・オブ・ドリームスで信じることの大切さ学んだウェンディ。そんな彼女の前に、ウェンディの願い星が表れます。ウェンディはピーターやロストボーイたちに励まされながら「楽しいこと、楽しいこと」と自分に言い聞かせて空を飛びます。
    ごめんなさい、これを書いているだけなのに泣いちゃいました。ビリーヴって、このシーンが本当に素晴らしいと思うの。ピーターのように空を飛びたいと願い、それが叶うと信じた彼女が楽しいことを考えながら空を飛ぶ。飛んだ先にいるピーターと幸せそうに顔を見合わせる彼女は、明日から大人になるとは思えないくらい無邪気で愛おしい。ウェンディの可愛らしさが詰まりまくった名シーン。きっとロンドンに戻ったウェンディは、この話をパパとママに楽しそうに話すのでしょうね。そんなアナザーストーリーも考察できるのが憎いですよね。
    何で僕らはパークに行くのですかね。もちろん「楽しいから」これが一番の理由なのですが、僕は誰かの夢が叶う瞬間に立ち会うためシーに行きます。自分の夢を叶えたいならランドへ行けば良い。シーは誰かの夢が叶う瞬間に立ち会える、そんな場所だと思います。ソアリンだってカメリアの夢が叶う瞬間に出会うわけだし。だからこそ、ディズニーシーからは夢が集まる場所であるシー・オブ・ドリームスへ行ける。そして、ウェンディの空を飛びたいという夢を一緒に共有できる。素晴らしい。これは本当に「シーで」公演すべきショーだと思います。シーの歴代ナイトショーは全て好きですが、ビリーヴは一番ディズニーシーらしいと思う。


一旦はこんな感じ。
忙しくてちょびちょび書きましたが、是非とも目を通してみてください。