最近観た映画で凄く良かったのが、コーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』
いまさらなのだが。

中年の怠け者の男が主人公。
ひょんなことから資産家の妻の誘拐事件の解決に関わる事になる。

主人公はたしかに怠け者なのだけども、自由であり良い意味で適当。
ありのままに生きるとはこういうことではないかと思わせられる。

友人も馬鹿で変人ばかりなのだけど、決してふざけているわけではなく真摯なのだ。
つまり、愛すべき馬鹿。
その馬鹿でクソッタレな友人のせいで誘拐事件は混迷を極める。
が、シリアスではなく終始コメディチックに進む。見ていて飽きない。
その他の登場人物もそれぞれに独自の世界観で生きている。
主人公とそれら登場人物との会話がとにかく楽しい。

なにより、私が感動したのが、主人公と友人の友情の美しさだ。
主人公と友人はちっとも似ていない。性格も凸凹だ。
共通点はボウリングを愛していること。
よく口論になったり喧嘩したりするのだけど、お互いを無比の友達だと信じている。
こういう関係っていいなと思った。

ラストシーンでは不覚にもほろっときてしまった。

この映画を薦めてくれたのは、私の高校時代の友人。
あれ?この映画の主人公と友人の関係が私と彼とのそれに似てないか。
薦めてくれた理由が分かった気がした。