『スケット・ダンス』に少しばかりハマっている。

ひょんなことからアニメを一話だけ見る機会があったのだけども、主人公のボッスンが場違いなオフ会に参加する話で、オタクの描写がやたらとリアルで爆笑してしまったのがきっかけ。


それで、単行本を買い漁って数日のうちに全巻揃えた。

所謂、「大人買い」っちゅーやっちゃねー。(ガネーシャ風に)(微妙に古い!)


いま、21巻まで読み進めたが、面白い。


ギャグセンスのセリフの言い回しが『銀魂』と相通ずるものがあると思ったら、著者の篠原健太さんはかつて『銀魂』の空知英秋先生のアシスタントをされていたとのこと。

なるほどと膝を打った。

『スケット・ダンス』の魅力は主人公がジャンプ漫画にしては地味なこと、世界観が日常の範囲を超えていないこと、セリフが多くキャラクター同士の会話で笑わせようとしていること、そして月並みだが「いい話」が多いこと。

これら本作の魅力については、一つひとつ解説したいが、めんどくさいので省く。


では、本題。


『スケット・ダンス』はアニメも録画することにしたが、最近はアニメを見ることが大儀に感じようようになっていて、録画したまま一ヶ月分以上見ていなかった。


それを先ほど、観てみた。


美空レミ先生が登場する回だったのだが、レミ先生が一言声を発したとき、心の奥底がざわざわした。

あれ?これはどこかで聴いたことがある声だ。

私の駄目絶対音感に狂いがなければ、これは間違いなく丹下桜だ。


急いでスタッフローフの「声の出演」を観てみると、美空レミの段きちんと丹下桜の名前があった。

妙に嬉しい気持ちになった。


最近の若い人はあまり知らないかもしれないが、丹下桜といえば、かつて『カードキャプターさくら』の主人公・木之本桜などで人気を博した声優で、特に私のような2000年前後に声優にハマった輩にとっては、忘れ得ない存在だ。


90年代後半における人気声優の一人だったが、2000年4月に突如休業を宣言し、そのあまりの唐突さにいろいろな憶測も飛び交った。

曰く、熱烈なファンによってストーカー行為をされたことが原因だとか、様々な噂がささやかれたが、休業の真相はわからない。

休業後の丹下桜はディープな活動にシフトし、傍から見れば、宗教の教祖様に収まった感すらあった。


が、私などは心のどこかでいつか復帰しないかと淡い期待を抱いていたものだ。

十年近く経ち、丹下桜の名前を知らない若手の声優ファンが増えだした頃、2009年にこれまた突如として、声優業界に復帰した。(註)

ほとんど、諦めていただけに、余計に嬉しい気持ちになった。


復活作品はニンテンドーDS用ゲーム『ラブプラス』(KONAMI)の「小早川凛子」役。

このゲームは人気作だったので多くの人の耳に丹下桜の声が届いたことだろう。

その後、アニメにも次々と出演するようになった。


復活の報をひそかに喜んでいたのだが、復活後の声は今日まで聴いていなかった。

今日『スケット・ダンス』での丹下桜の声を聴いて、はじめて丹下桜の復活を実感した。


一言で云って、丹下桜の声はイィ!

フツーのことを云って申し訳ないが、すごく可愛いのである。

あれ?こんなに可愛かったっけ?と思うほど・・・といえば失礼かもしれないが、十年前に聴いたときより感動があった。

更に失礼なことを書けば、丹下桜さんはルックス的には最近のアイドル声優と比べても、決して、可愛いというわけではないと思う。

(ファンの方、そして、御本人がもし御覧になっていたら本当にごめんなさい)


が、声の可愛さが半端でないので、声ヲタにとっては、本当の意味でのアイドルなのである。

逆にいえば、最近のアイドル声優のように顔だけ可愛くて声が平凡な声優はどうにも好きになれない。

もっといえば、嫌いである。


これまで何度も書いてきたことの繰り返しになるが、声優に必要なのは魅力的な声と演技力であって、見た目は二の次、三の次であってほしい。

その意味で、丹下桜は本物の声優といえる。


少なからず観るアニメに丹下桜が出演していることは幸いである。

今後も、丹下さんの活躍を期待したい。



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註:厳密にいえば、2005年にPS2用ゲーム『イース -ナピシュテムの匣-』のヒロインのオルハ役とドラマCD『萌音』の松嶋友萌役として出演したことがあったが、これは本当に一時的なものであった。