授業中、選挙カーが通り、候補者名を連呼する声が聞こえた。


授業が少し中断されて、先生と生徒で選挙の話になる。

ある生徒は投票日に予定があるため、期日前投票に行くという。

すると先生がその生徒に「ちゃんと、投票しようね。幸福実現党に」と云って、教室は爆笑の渦に包まれた。

先生は笑顔で「だって、みんな幸福になりたいでしょ?」と続けて、再び笑いが起こった。


勿論、先生は冗談で云って、生徒も冗談と受け取って笑ったわけだが、やはり、一般的に幸福実現党はこういうネタにされてしまう党なんだなと実感した。

まぁ、私も思わず笑ってしまったのだが。


いうまでもなく、幸福実現党は宗教法人「幸福の科学」を母体とした政党だ。

幸福の科学というと私はかつてブルーハーツに居た河ちゃんこと河口純之助が入信し、それが一因となりブルーハーツは解散してしまった・・・というくらいの知識しかなかった。

あとは総裁が大川隆法で著書がベストセラーになっていることくらいか。

だから、幸福の科学がどんな思想を持った人たちの集まりかなんて、知らなかったし興味も無かったが、このたび、幸福実現党の結党に際して否応無く知ることになった。


この党について少しばかり知って驚いたのは随分、右派的な政策を掲げている事だった。

それは北朝鮮に対する態度に如実に顕われている。

北が変な気を起こしたら先制攻撃も辞さないというし、憲法九条に関しても改正して国家の防衛権を定めるとしている。

同時に大川総裁は 「昨晩、金正日の守護霊と称するものと対話した」なんて一般人が聞くと一瞬表情が固まりそうなことも云う。

幸福実現党及び幸福の科学が「保守カルト」と呼ばれる所以はこういうところにありそうだ。


党の政策だけをながめてみるとそんなに悪くない。

特に予算の単年度制の廃止は今すぐにでもやってほしい政策だ。

未来の基幹産業や農業の育成もいい。


ただ、「消費税・相続税・贈与税の全廃による.景気の回復」あたりは疑問符が附く。

他にも規制緩和や證券税制廃止などはいかにも新自由主義的だ。

幸福の科学の信者さんがどんな階層の人たちか少しわかるような気がする。


「大統領制を導入して元首を大統領とする」については敢えてつっこまないことにしておこう。


それはそうと、大川総裁が自ら出演するCMにも驚いた。

新興宗教団体の教祖的存在の人(創価学会でいうと池田大作とかね)はメディアに顔を出さないことがセオリーだと思っていたからだ。

うあ、この人が大川隆法か!という驚きがあった。

さらに、声が鼻に抜けたような感じも意外だった。

(はじめて小林よしのりの声を聞いたときも同じような気持ちになったね)


もう一つ。

幸福実現党の参戦は自民党にとって不利だと言われている。

というのも、幸福実現党の支持者の多くはこれまで自民党に投票していたが、幸福実現党の参戦によりこちらに票が流れてしまい、結果、自民党は保守票を失うというのだ。

この予測が正しければ、自民党はますます窮地に立たされることになる。

この党、少なくとも自民党には幸福を実現させてくれなさそうだ。