ノーベル物理学賞を日本人三人が独占した。
暗い世相にあって明るいニュースだと嬉しく思っていたら、さらに今日、下村脩氏がノーベル化学賞を受賞した。
めでたいことだ。
ノーベル物理学賞を受賞した三人は南部陽一郎さん、益川俊英さん、小林誠さん。
益川さんと小林さんはコンビのような間柄で、両氏は南部さんに私淑した。
南部さんは日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹博士の後輩、朝永振一郎博士の元で学び、その朝永博士の勧めで1952年に渡米。
以後アメリカで研究を続けた。
南部さんは「なんでも聞いてやろう」とアインシュタイン博士に助言を受けに行ったこともある。
その時、「神様はサイコロを振らない」と物理現象を確率論で説く量子力学を否定するアインシュタイン博士に対し激論を交わしたという。
なお、平成十四年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんも南部博士に薫陶を受けた一人だ。
益川さんと小林さんは名古屋大学の坂田昌一博士の元で物理学を学んだ。
この坂田博士も湯川博士の後輩にあたる。
こうしてみると日本の科学者の系譜が垣間見える。
さて、授賞の理由をみると、南部氏が「素粒子物理学と核物理学における自発的対象性の破れの発見」。
益川、小林両氏は「クウォークの世代数を予言する対象性の破れの起源の発見」。
うーむ、凡人にはちっともわかりませんね。
やっと本題だけども、この御三方の中で益川さんのキャラが突出している。
授賞当日の記者会見では「いや、大してうれしくない」なんて云っていたのに翌日の会見では「(南部先生と)御一緒に授賞できることは最大の喜びです」と目頭をハンカチで押さえながらお泣きになり、
涙を見せた理由について問われると「涙が出てきたというおは覚えておりすが、どういう局面であったかということは本当に忘れました」とか「老人性涙腺軟弱症なんでしょうね」なんて仰っていた。
・・・なんというツンデレ。
本当は嬉しいのに素直になれないというタイプのツンデレやね。
益川さん自身も、自らの性格について「人間が本来、そういう天邪鬼。左を向けと言われたら右を向く。そんな性格」と仰っている。
このツンデレな益川さん、奥さんと一緒に取材に応じている時に
「素直に喜んでくださいとクレームがついていますよ」
と奥さんから窘められるシーンも。
益川さんは「(私は)愛想がないよね。こうやっていつも怒られる(笑)」と笑顔を見せていた。
また、益川さんはお茶目な一面もみせる。
発表当日、報道陣に囲まれた時「申し訳ないけど、今日は「バンザーイ!」なんてやらないよ」と云いつつしっかりバンザイしていた。
以下に益川さんの発言を拾ってみよう。
(安藤優子の「英語がどうしてお嫌いなんでしょう?」という質問に対して)
「いや、嫌いだから嫌いなんです。好き嫌いの問題に対して・・・あなたこの植物が好きですか?と問われてもそれは理由はないと思います」
(木村太郎の「なぜ物理の道に進まれたのか?」という質問に対し)
「僕の場合は好き嫌いがハッキリしていて、文化系のことは出来ないぞと。だから、選択肢をずーっとやっていくと物理と数学が残った」
「(授賞式で)どうしても英語で喋らないといけないなら僕は辞退します」
(三氏が写った新聞を手にして)
「南部先生も小林くんもいい表情をしているので感心する」
(カメラマンから「顔を上げてください」と云われて)
「逆立ちは出来ないけどなんでもしますよ」
「人に(あだ名)をつけられるとこれはヤバイと。だったら自分でつけちゃえと『イチャモンの益川』とつけました」
(京大生の「物理をやるのが憂鬱になったことはありますか?」という質問に対して)
「私はスランプに陥るような人間じゃないんで、申し訳ないけど(笑) 大概なにか悪いことが起こったら相手のせいにする」
(京大生(?)の「英語が出来なくてもなんとかギリギリやっていく方法を教えて下さい」という質問に対して)
「あんまり教えるべきじゃないでしょうねぇ。教育上よろしくない」
以上、どれも味わい深いものがある。
なお、英語嫌いの益川さんは英語の論文は小林さんに任せていたという。
クールな小林さんにツンデレお茶目な益川さん。
絶妙のコンビですね。
そういえば、「相手のせいにする」の相手も小林さんのこと!?