金曜プレステージ千の風になってSPという番組で「死ぬんじゃない!(以下略)」と題して、踏切で自殺を図った女性を救うために線路に飛び込み、殉職した警察官(宮本警部)の生涯を描くドキュメンタリードラマが放映されていた。
この話、多くの人が知っていると思う。
私も当時、ニュースで知って、切ない気持になったのを覚えている。
私はそのとき、
「地域の人々にも慕われる立派なお巡りさんだったらしいし、本当に惜しい人を亡くしたものだ」
と思ったと同時に
「しかし、自殺したい人なんて放っておけばよかったのに。死にたい人の為に死ぬなんて、なんとも勿体無い」
などと思っていた。
今日のドラマを見てその思いを改められた部分と強化された部分がある。
まづ、改められた点だが、自殺したい人は放っておけばいいなんて、なんとも冷たい考えだった。
宮本警部はそんな考えを持つ人ではなかった。
勿論、私も目の前で死のうとしている人を見ればとめるだろうが、
この件のように踏み切りに入っていった人を連れ戻すかと問われれば、東幹久(ドラマで宮本警部の部下の役をやっていた)よろしく自信が無い。
そして、思いが強化された点はまさに惜しい人を亡くしたということだ。
ドラマによると、宮本警部は運動神経が鈍くて、いわゆる不器用な感じの人だったらしい。
剣道の実技でも面のタイミングが周囲の人とずれたりとか、
自転車にも上手く乗れなくて練習したとか、エスカレーターに乗るタイミングを掴むのが苦手だったとか・・・。
もう、私、この時点で泣いちゃいそうだった。
こういう、運動神経が鈍くて不器用というのは自分とかぶるところがあって、
(あくまで運動神経が鈍いという点がですよ)
そういう人が頑張っている姿を見ると励まされると同時にもうなんかすごく泣けてくる。
私は不器用だけども真面目な人にもの凄く惹かれるものがあるのだ。
そしてなにより、本当に正義の人で地域の住民からもとても慕われていて、
本人も刑事とかそういうのを目指すのではなくて、
現場で駐在さんとして住民の安全と平和を守ることにやりがいを感じ、且つその職務に全身全霊をそそぐ人で、
まさに警察官の鏡、いや、人としても鏡のような方だったようだ。
そういう方を亡くしたと思うと改めて残念な思いに駆られた。
いま、こういう地域の人に慕われている駐在さんってどれほどいるのだろう。
いや、全国に沢山いるのだろうけど、昔に比べて駐在所や交番が縮小されて、
地域のお巡りさん、駐在さんの絶対数が減っているように思う。
だとしたら残念なことだ。
交番制度は日本が世界に誇るシステムなのにね。
って、またいつものように話がそれてきた。
私は宮本警部にかつての日本人の面影をみた。
生真面目さや、職務に一心に打ち込む姿勢。
そしてなにより他人の為に自分の身をなげうってまで尽くすという態度。
それは事故に遭われたときだけでなく、警部は普段から実践されていた。
だからこそ、踏み切りに入った人を助けることが出来たのだと思う。
これはいまの日本人が忘れかけていることではないだろうか。
いや、他人の為に死ねとかそういうことまで言っているのではないんです。
ただ、宮本警部の普段の姿勢と言うか振る舞いというか態度と言うか、上手く表現できないんだけども
そういう姿勢はまさにかつての日本人の良いところを凝縮した姿に思えてならない。
私も己の普段の態度、振る舞いを振り返って反省させられることしばしばだった。
宮本警部は命の大切さの他に様々な大切なことを我々に伝えてくれた。
改めて御冥福を御祈りいたします。