こんにちは、ふじおです。

12/25に岡山県教育委員会が主催する「インクルーシブ教育フォーラム」に参加しました。

このフォーラムは毎年開催されているそうで、私は初めて参加しました。

 

まず岡山県教育庁特別支援教育課から「岡山県の取組について」説明がありました。

少子化で、児童生徒は減少しているのに特別支援学級の在籍数は増加傾向にあるそうです。

 

次に第1部「インクルーシブ教育システム構築に係る岡山県の取組」として、ポスター発表が各ブースで行われました。

発表したのは、倉敷市津山市高梁市浅口市早島町岡山南支援学校倉敷琴浦高等支援学校誕生寺支援学校総社高等学校でした。

私は倉敷琴浦高等支援学校のブースで質問しました。

 

第2部は、5,6人の班に分かれ、情報共有「各地域、各校園等で行っているインクルーシブ教育」として、グループワークをしました。

参加しているはほとんど教員だったようで、場違いな感じはありましたが、保護者として自分の経験談などを話しました。

 

最後の第3部は、指導講評・対談「共生社会の実現に向けて」として、国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センター上席総括研究員でセンター長の久保山茂樹氏とノートルダム清心女子大学児童学科准教授で同校インクルーシブ教育研究センターのセンター長青山新吾氏が登壇されました。

青山先生は、以前、倉敷市特別支援学級親の会の総会で講演をしていただいたことがあります。

最初に久保山先生から簡単な講演がありました。

冒頭、岡山県は通常の教育をよく理解している人が行政の中にいて、それは他県では稀有なことで、インクルーシブ教育フォーラムのようなイベントは他県でも開催されていますが、毎年継続していることも稀だそうです。逆に驚きでした。

そもそもインクルーシブ教育とは、誰も排除しない教育のことです。障害の有無に関わりなく、共に尊重し支え合いながら、全員が積極的に参加できる社会(共生社会)を作り上げることを目的としています。

久保山先生によると、山口県では小学校の教員が幼稚園や保育園に1年間研修に行くシステムがあるそうで、インクルーシブ教育と重く受け止めなくても、もともと保育の現場の発想で良いとのこと。保育の現場では、園児一人ひとりを朝の出迎えから、帰りの送り出しまでを大事にしています。そういった観察を就学期でも継続することが、すなわちインクルーシブ教育に繋がるのです。

次に青山先生との対談の中で、「インクルーシブ教育という名の下で、障害児に重点を置きすぎて、逆に健常児に我慢をさせているのではないか」と言われました。

確かに障害児の支援にばかり目が行きがちです。

きょうだい(障害のある兄弟姉妹を持つ健常者)の問題もそうです。

障害の有無は関係なく、一人ひとりの多様性を認めながら、それを理解し、受け入れていく共生社会の実現に向けて、その担い手たる子どもたちを育むことがインクルーシブ教育の精神だと実感しました。幼少期からの教育が重要です。

 

児童生徒一人ひとりにフォーカスするインクルーシブ教育は、担任教諭一人だけではとてもフォローしきれるものではありません。

教育現場での人員の加増も必要です。

私が調べたところ、イギリスでは担任教諭の他に、個々の教育ニーズに合わせた支援を行うサポートスタッフが配置されています。サポートスタッフ数は、全スタッフの2/3~1/2を占め、充分に支援を行える体制が整えられています。

サポートする教員も余裕がなければ良い質の支援はできません

充分な支援を行えるよう、行政サイドから学校環境の整備を充実してもらえるよう期待します。

それこそが、教育県おかやまの復活に繋がるのではないでしょうか!