こんにちは、ふじおです。
今回は、世界一有名なロックバンドと言っても過言ではないビートルズが起こした知られざる革命をご紹介したいと思います
ビートルズが起こした革命を理解するには、ビートルズの軌跡を辿りつつ、その時代背景を織り交ぜながら説明した方が良いでしょう
少々長くはなりますが、時代背景を理解しないとそのスゴさが解らないので、しばしお付き合い下さい
(今回の内容はNHK「映像の世紀バタフライエフェクト ビートルズの革命『のっぽのサリー』の奇跡」から援用しています。)
ビートルズは、ジョン・レノンがポール・マッカートニーと出会ったことから、その歴史が始まります。
会って話す内、お互いロックンロールに夢中になっていることを知ります。特に二人は、リトル・リチャードなどの黒人のロックンロールに強い衝撃を受けていました。
ジョンとポールが中心になり、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが加わりビートルズを結成します。
当時のイギリスは、貴族や大地主などの上流階級、医者や弁護士などの専門職に従事する裕福な中流階級、工場などで単純労働を行う労働者階級に分れており、厳然たる階級社会でした
ビートルズのメンバーは労働者階級の出身でした。
彼らは階級社会に対し、声高に異を唱えるのではなく、その音楽とユーモアで、階級の壁を軽やかに飛び越えます
それを物語る1つのエピソードがあります。
1963年にイギリス王室が後援するチャリティーイベントにビートルズが招待された際、上流階級の観客の前で、ラスト1曲の演奏前にジョンが発した伝説のMC。
「最後の曲になりました。皆さん協力して頂きたいと思います。安い席の皆さんは拍手してください。あとの方は宝石をジャラジャラ鳴らしてください。」と。
そのMCの後、会場は大きな拍手と笑い声な包まれました。
労働者階級の若者が上流階級をあてこするなど前代未聞のことでした。
1963年、ビートルズは「She Loves You」を発表し、世の中は突然可能性に満ちて輝き始めます。
戦後の禁欲的な空気が一変して、若者が自分の人生を自分で決められるようになりました。
ロンドンは、世界の若者文化の震源地となります。
音楽・ファッション・アートなど、目まぐるしく新しいものが生まれる現象は“スウィンギング・ロンドン”と呼ばれ、ミニスカートもこの時生まれました。
ビートルズはこうした時代の潮流の中にいたのです。
1960年代、アメリカでは黒人の公民権をめぐり、人種間の対立がピークに達していた時代でした。
そのアメリカへ、ビートルズはコンサートツアーに行くことになります。
フロリダ州ジャクソンビルでのコンサートは、アメリカ社会を震撼させました。
ジャクソンビルは黒人差別の激しい地域で、黒人の居住区は隔離されていました。
野球観戦や
コンサートでも「COLORED SECTION(有色人種専用)」と表示され、黒人は隅の席に追いやられていました
その事実を知ったビートルズは、人種隔離を行うならコンサートは行わないと宣言。ポールは記者に対し、「人種隔離なんてくだらないよ。黒人だって他の人たちと何も違わないじゃないか。彼らを動物か何かと勘違いしている人たちがいるよね? 人間を動物扱いするなんてバカみたいだ。僕は自分の隣に誰が座ったって構わない。僕らは4人ともそう思っている。イギリス人は皆、そう考えているし、コンサートでも人種隔離なんてしない。そんなことをするなら、僕らは演奏しない。」と宣言します。
1964年9月11日、ジャクソンビルの公演は黒人の隔離席を設けず決行され、白人と黒人が入り交じる23000人のコンサートになりました
曲目もオリジナル曲だけでなく、若かりし頃熱狂したリトル・リチャードなどの黒人のロックも演奏しました。
1964年アメリカで公民権法が成立します。
その後、人種差別の強いアメリカ南部のほとんどのスタジアムでも人種隔離政策は撤廃されました。
9歳の時にビートルズのコンサートを見た黒人女優のウーピー・ゴールドバーグは、「まるで神の啓示だった。世界がパッと開けた気がした。みんなが私に『ビートルズが好きだって? 白人になりたいの?』と訊いてきた。でも私は、彼らを白人だとは見ていない。彼らは“ビートルズ”! 色なんて関係ない。私も私自身なのよ。好きな格好をして、好きなように生きればいい。私は彼らからそういう考えを学んだ」と後に言っています
ビートルズは、輝かしい栄光の影で、音楽性だけでなく、こうした価値観にも革命を起こしていたのです。
ビートルズが掲げた人種差別撤廃の言動は、障害者にも当てはまります。
障害者だって同じ人間です。
健常者が障害者を別の動物のように扱ってはいけません。
教育の場でも特別支援学級や特別支援学校に隔離するのではなく、インクルーシヴに、健常児と同じ教室で机を並べて学ぶべきだと私は思います。
実際、大阪府豊中市のようにインクルーシブ教育を進めている自治体もあります。
差別意識の壁をユーモアで乗り越え、ダイバーシティ(多様性)を認め合う社会を実現したい。
障害が有ろうが無かろうが関係ない。
その人自身が自分らしく生きられることが普通である社会になってほしいと切に願います