こんにちは、ふじおです。
今日は梅雨で外出できず晴耕雨読ということで、先日読んだ『ギガタウン』をご紹介します。
いつもカタい話ばかりでは良くないので、たまにはコーヒーブレイクといきましょう。
この漫画は大ヒット映画「この世界の片隅に」の原作本の作者こうの史代さんの作品で、『この世界の片隅に』とは打って変わって、楽しく漫符を学べる4コマ漫画です
「漫符」というのは、漫画の中で使われている効果線などの漫画特有の記号のことです。
例えば、よくアメコミとかでも使われている、眠っていることを示す「Zzz」や起こっていることを示す「」がそうです。
まず本書の目次を見て下さい。
目次自体が漫符の索引になっています。
一話ごとに、1つの漫符を取り上げて、その漫符を使い方が解りやすく物語仕立てで描かれています。
タイトルからも判るとおり、登場するキャラは『鳥獣人物戯画』という絵巻に出てくる兎や蛙です。
『鳥獣人物戯画』は社会や美術の教科書にも出てくるのでご存じの方は多いでしょう。
この絵巻は漫画のルーツとも言われています。
絵巻を右から左へスクロールして見ていくと、ストーリーが展開するでしょ。
“戯画”と言われるように、例えば動物が擬人化されて描かれています。
第一、兎と蛙が等身のはずがありません。
皆さんがよく目にしている、兎や蛙が走ったり相撲を取ったりしているのは、実は全4巻の内の最初の「甲巻」の絵で、巻によって作者も異なります。
「あとがき」に、『別冊宝島 マンガの読み方』に触発されたとありますが、この本は漫画の読むための法則を解説したモノで、漫画評論の第一人者、夏目房之介さん(夏目漱石の孫!)等が執筆しています。
残念ながら絶版です。
私はまだ古本屋に普通に置いてあった30年程前に購入していたので所蔵しています。
そもそも日本の漫画のコマ割りや記号を作ったのは、漫画の神様手塚治虫だと言っても過言ではありません。
そのコマ割りをさらに斬新にレイアウトしたのが石ノ森章太郎(『サイボーグ009』や『仮面ライダー』の原作者)です。
その辺りことを夏目さんは石ノ森さんに直接聞いたとテレビで言っていました。
話が逸れてしまいましたが、『ギガタウン』は漫画の元祖である『鳥獣人物戯画』のキャラを使って漫画の記号である「漫符」をユーモラスに紹介した解説本なのです。
漫画に興味のある方は、ぜひ読んでみて下さい