9月。秋の始まりの今の時期、それは企業にとっては期末に当たります。
だから、サラリーマンたちは忙しい。
意味なく、でも無意味なわけではないけど忙しいのです。
だから、夜遅くなる。夜遅くなると食べたくなる牛丼。吉野家は今が搔き入れ時かも--
席に座ると、横には長髪で小汚い青年が座っていた。
たぶん、いやきっと日雇い労働者だろう。
彼は少しずつ、啜るように大盛りの牛丼を食べている。
食べたらいつでも逃げてやろう、といった雰囲気がぷんぷんする。
そこへ恐持ての男性が入ってきた。
まさに劇画を見るような感じ。
いくら日本橋だからって、ガンダムのドズル中将の顔コスプレをする必要は・・・失礼。
目を合わさないように気をつける。
牛丼を牛から食べて、ご飯だけになったところへ紅しょうがを多めに乗せる。
ご飯と一緒に食べるとなかなか合うのである。
そこへ女性が入ってきた。アジア系?なぜか男性のYシャツだ。
意外にスラスラ日本語、でもどこか違う。
ん、もしかして、タベタリ、ノンダリ、ラジバンダリ!さん?
え、違いましたか。
残ったご飯に半熟の卵を掛けてかき混ぜる、かき混ぜる。
それに七味をガンガン掛けて掻き込む。
実は店員さんも在日朝鮮人か留学生か。日本人ではない。
この時間帯に働ける日本人は減っているのだろうか。
日雇いの青年が大事そうに汚い財布から580円を出した。
恐る恐る店を出る。
でかいぼろぼろのボストンバッグが痛々しい。
店を出ると、思い出したようにドラッグストアに足を向けた。
前から二人の女性が。
金髪になんだかわからない格好。
それはまるで黒人女性のようでありながら意味のわからない、さっぱり理解できない日本語だろう言葉。
ここ大阪はやはりひとつの外国なのかもしれない。