ちょっと重たい話になってしまいますが

ずっと気になっていた事件なので、

シェアさせていただきます。

 

・・・・

 

2019年に起きた、ALS患者嘱託殺人事件の判決が出ました。

 

 

ご存知ない方もいるかもしれませんが

この事件は、

自死願望のあるALS患者に依頼され、

主治医でもない医師が

彼女の「自殺幇助」をしたとされる事件です。

 

私は、安楽死には賛成の立場をとっており

もし、私がこのALSの患者さんみたいな立場だったら

同じようなことを望んだかもしれないと思っています。

 

自分で手を下せるならば

人様の手を借りる必要はないわけですが、

病状が進んでしまうと

自分ではどうにもできないわけで

そういう時は、協力者が必要になってしまいます。

 

そして、その協力者は、

殺人や自殺幇助の罪に問われてしまうわけです。

 

この事件の経緯に関しましては、以前のブログで詳しく解説しておりますので

よろしければお読みください。

 
で、

今回の件でも、

ALSの患者さんが、

協力者である医師が罪に問われないようにと

遺書を残していたようなのです。

 

しかしながら、この医師たちの過去の経歴などもあり、

結果的に、大久保被告への実刑判決が出たようです。

 

記事から引用しますと・・・

 

京都地裁の川上宏裁判長は

「弁護人の主張する憲法13条違反を直接的な理由根拠として

本件に嘱託殺人罪を適用しないとの結論を採用することはできない」

とした上で

「主治医でもなくALSの専門医でもなく、

SNSのやり取りがあったにすぎず、

これまでの経過や現在の症状も把握せず、

主治医や近親者等にも知らせることなく秘密裏に、

その日初めて会ったばかりの被害者の十分な診察や意思確認ができるとは思えない」

などと指摘。 

そして

「130万円の報酬の振り込みがあってから行動したのを考えれば、

被害者のためを思って犯行に及んだものとは考え難く、

利益を求めた犯行であったと言わざるを得ない。

被告人の生命軽視の姿勢は顕著であり、強い非難に値する」

と断じ、大久保被告に懲役18年の判決を言い渡しました。

 

 

ということでした。

ALSの患者さんの希望を叶えてあげたいという気持ちはわかりますが

そのやり方が、やはり問題だったと思います。

 

SNSのやり取りだけで

直接の診断もなく、

ちゃんとしたヒアリングもなかった・・・

 

これだと「報酬目当ての殺人」と言われても

仕方がないような気がします。

しかも余罪がありますし・・・汗

 

少なくとも、アメリカで散々安楽死を手伝って

非難を浴びていた

ジャック・ケヴォーキアン氏

ちゃんと面談などを行なっていました。

(それでも刑務所に入りましたが・・・)

 

患者の気持ちに寄り添って

「死ぬ権利」を尊重してくれる医師がいたら

本当に素晴らしいことだとは思うのですが

やはり、そのやり方は、きちんとした道筋が整えられるべきだと思います。

 

とは言え、この事件のおかげで

安楽死の議論が進むどころか

さらに遅れをとってしまう気がして

ちょっと残念です・・・。

 

そういえば

今年の1月に、安楽死が合法になったカナダで

申請が増えているというニュースがありました。

 

 
カナダは安楽死の合法化に関しては、オランダとかベルギーよりも後発で、2016年からのスタートですが
緩和医療の一環として捉えられているそうで
申請が増えているそうです。
 
これまでは末期患者などが対象となっていましたが
なんと2024年には精神疾患の患者にも適応となるらしく
どんどん範囲が広がっているようです。
 
またカナダでは、
経済的に困窮した障害者が
この制度を申請する以外に解決策がない・・というパタンも見受けられるらしく
少し社会問題化しているようだ。
 
なんにせよ、
いろんな国の事例を学ぶことで
日本にふさわしい制度が
できてくれるといいなと思う。
 
老後は日本に戻って過ごす可能性が高いので
日本の緩和医療とか終末期医療に関しては
これからも注目していこうと思う。

 

。。。。

 

おまけの写真は

我が家の中庭にあるノパル(うちわサボテン)

初めて実のようなものがついたので

これからどんなふうに育つか楽しみです!