自分のブログのアクセスログを見ていたら

今年の3月28日に投稿した

ティス・イェニーさんに関する記事への

アクセス数が異常に多くて、

びっくりしました。

 

 

 

もしかして、

なにか安楽死に関して話題になったことがあったのかな?

と思って、チェックしたら

昨年(2020年)、「ALS患者嘱託殺人事件」で起訴された2名の医師が、

「殺人容疑で再逮捕」というニュースを知りました(2021年5月12)。

 

 

 

つまり、昨年逮捕された事件とは

別件で、もう一度逮捕されたってことですね・・・

 

元々、この二人が起訴されていた

「ALS患者嘱託殺人事件」というのは

難病のALSを患う京都の女性と

SNSを通じて知り合い、

この女性から依頼を受け、130万円の報酬を受け取って

女性に薬物を投与し、死に至らしめたというものです。

 

実際に、二人の医師が薬を投与したのは

2019年11月30日ですが

発覚して、

二人が逮捕されたのは昨年の2020年でした。

 

この事件が特徴的なのは

長年彼女を見てきた主治医が、

彼女の訴えに耳を貸して

「安楽死の望みを叶えた」のではなく、

 

彼女を診察をしたこともない医師二名が

SNSで知り合っただけで

報酬をもらって、彼女に依頼された

ことを実行したという点です。

 

 

報道によれば、

彼女は、難病のALSにより、

当時は、発語もできず、手足も動かせず

ヘルパーさんに24時間サポートされる状況だったそうです。

 

 

彼女は、当時、ブログも綴っており、

死ぬ権利や、

海外で安楽死をすることも

考えていらっしゃったようです。

 

 

つまり「死にたい」と思っても

すでに自分では手を下せない状態だったわけで

理解のある「誰か」に

自殺幇助をしてもらうしかなかったわけです。

 

とはいえ、

四六時中、彼女は

死ぬことばかり考えていたわけではないようで

生きる意欲や、新しい治療への希望なども

持っていらっしゃって

気持ちは揺れ動いていらっしゃったように見受けられます。

 

報道によれば、亡くなった女性は

後々、問題にならないよう

遺書もきちんと用意していたといいます。

 

 

これをいい方面から見ると

 

「殺人罪に問われるかもしれない危険を冒してまで

彼女の願いを叶えた、勇気ある医師たち」

 

に見えるわけですが

 

二人の行動を見ると

そうとは思えない部分がたくさんあります。

それが問題です。

 

 

報道にあるように

偽名を使って、彼女の家を訪問し

わずかな滞在時間に、薬を投与して立ち去った・・・

という状況からは、

「彼女が望むことをしてあげたい」という

正義感や使命感のようなものが

感じられないのです。

 

彼女の「死にたい」という訴えに

正当性があるのかどうか

きちんと診察したようには思えません。

 

スイスをはじめ

「自殺幇助」や「積極的安楽死」を

合法的に認める国でさえ

実際にそれが行われるプロセスには

非常に時間をかけます。

 

「私、死にたいんです」

「ああ、そうですか」

 

なんて、簡単には行きません。

担当医の意見だけを聞くわけではなく

全く関係ない医師にセカンドオピニオンも求めます。

本当に、他に痛みを緩和する方法や、

治療方法がないのかなど

厳しくチェックされます。

 

今回の事件でこの二人の医師がやったことは、

その点が、お粗末としか言いようがありません。

 

しかも、彼らのうちの一人は、

Amazonで、以下のような電子書籍を出版していました

(現在では購入できません)

 

本の概略に書かれている言葉は

ネガティブで

命へのリスペクトみたいなものが

感じられない気がします。

 

ーー以下、上記の本の概略をコピペしていますーー

 

認知症で家族を長年泣かせてきた老人、
ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。
そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、
証拠を残さず、共犯者もいらず、
スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。

 

医療に紛れて人を死なせることだ。

病室に普通にあるものを使えば、

急変とか病気の自然経過に見せかけて患者を死なせることができてしまう。

違和感のない病死を演出できれば警察の出る幕はないし、

臨場した検視官ですら犯罪かどうかを見抜けないこともある。

荼毘に付されれば完全犯罪だ。。

悪いことをした覚えがなくても、誰かに勝手に恨まれているかもしれない。

悪意に満ちた人に殺されてしまわぬよう、

この本では、医療にまぎれた「医療犯罪」で殺されないようにするための知識を提供したい。

身を守る知識としてくわしい描写も入っている。

読者の皆さんが、こうした知識を悪用してゆめゆめ誰かを殺害しないことを信じている。


ーーーーー

 

「長年家族を泣かせてきた老人・・・」みたいな言い方を読むと、

この人自身の経験が

このような言葉を吐かせているのか?と

疑いたくなります。

 

そして、実際

この二人の医師には余罪があったのです。

 

再逮捕されたのは

2011年に、

片方の容疑者の父親を殺害した容疑なのです。

つまり、ALSを患う女性に薬を投与する

数年も前に

実の父親に手を下していたわけです。

 

 

一体どんな経緯があって

こういう事件が起きてしまったのか

今後明らかになっていくと思いますが

色々と残念なことが多い事件です。

 

 

ただ、今回の事件に関する

昨年からの色んな報道をチェックして

 

私自身、

安楽死の問題に関しては、

少し曖昧にしていた部分もあったと感じたので

整理して

またご紹介したいと思います。

 

こんなニュースもあり
また、「いのちの停車場」という
安楽死がテーマに含まれる映画が
公開されるというタイミングでもあり
 
安楽死の問題が
また色々と議論になるのかもしれません。
 
映画は見られませんが
「いのちの停車場」に関しては
本を読みましたので
その感想についても、またご紹介する予定です。
 
 
おまけの写真は
自宅近くのセノーテ♪
この水の透明感がなんとも言えません!