私が住んでいるトゥルムという町は、

メキシコの中でも南にある

「ユカタン半島」という場所にあります。

 

先日のレジェーノ・ネグロの回でも

お話ししましたが

このユカタンのお料理は独特です。

 

ユカタンに来たら、

絶対食べなさいと言われるのが、コチニータ・ビビル

という豚肉料理ですが、

 

それ以外にも、いっぱい名物料理があります。

 

その中でも、屋台フードとして親しまれているのが

パヌーチョ(Panucho)と

サルブート(複数形でサルブテスで一般的に複数形で呼ばれることが多い)(SalbutーSalbutes)です。

 

こちらがパヌーチョ

 

こちらがサルブート(サルブテス)

 

なんだか、同じに見えません?

 

しかも、

メキシコのソウルフードである

「タコス Tacos」と

見た目がほとんど変わりないんです。

 

(ちなみに、タコスというのは

単数系だとタコで、複数形でタコスTacosになります。

日本語ではタコスの方が一般的なので、

タコは、タコスと表記します。

また、サルブテスは、単数系がサルブートなのですが

街で聞こえてくる名称は、

サルブテスという複数形が一般的なので

そちらを使います )

 

タコスもパヌーチョもサルブテスも

いわゆる、トルティーヤのようなとうもろこしの薄焼きパンの上に

肉や野菜を盛り付けるお料理なので

見た目だけで判断すると

「何が違うの?」っていう感じがします。

 

確かに上に乗せるトッピングは

ほとんど変わらないので、見た目が一緒に見えるんですが

実際には、そのベースとなる

薄焼パンのところが違うんです。

 

なんていうか

ピザとピザトーストの違いみたいな感じ?

おにぎり(塩味の白米)と巻き寿司(寿司飯)の違いみたいな感じ?

 

で、どう違うかを説明していきます。

 

まず、タコスに使うのは

トルティーヤ(Tortilla)と呼ばれる

とうもろこし、もしくは、小麦で作られた

薄焼パンです。

これは、ただ生地を薄く伸ばして焼くだけです。

 

そしてその上に肉や野菜をトッピングしていきます。

 

 

そして、サルブテスは何かと言いますと

とうもろこしで作った生地(小麦が使われることはありません)を

「焼く」のではなく

「油で揚げる」んです。

ドーナツみたいな感じです!

 

薄く伸ばしたマサ(トルティーヤの生地)

 

それを油で揚げると、

ふんわりとした柔らかい生地になります。

 

大事なところは、

すでに「焼いてあるトルティーヤ」を揚げるのではなく

「生のトルティーヤの生地」を

油で揚げるところです。

 

すでに焼いてあるトルティーヤを

油で揚げたものは

「トルティーヤチップス」です!

 

(ちなみに、メキシコでトルティーヤチップスのことは

Totopo・トトポ と言います。)

 

そしてトッピングをします。

よく見ると、トルティーヤの部分が、

普通のタコスより、ふわっと膨らんでる感じなのが

わかりますでしょうか?

 

はっきり言って、

すごく脂っこいタコス・・・みたいな感じです。笑

でも、油を吸って、柔らかくなった感じが

美味しいらしいです

(私は、それほど好みではありませんが

ローカルの人たちは、サルブテスが大好き!!!!!)

 

 

最後にパヌーチョの説明です。

パヌーチョは何が違うかと言いますと

「フリホーレス入りトルティーヤ」が台になっているってことです。

 

つまり、すでに焼いたトルティーヤに穴を開け、

そこからフリホーレスという

黒インゲンのペーストを入れ

そこからまた油で揚げて台を作り

その上に、トッピングをするのです。

 

ちなみにパヌーチョ用のトルティーヤは

普通のトルティーヤとは違います。

左が普通のとうもろこしのトルティーヤで

右が、パヌーチョ用です。

 

パヌーチョ用のトルティーヤは

穴が開きやすくなっていますので

スプーンなどで、少し入り口を広げます。

 

日本で言うと、おいなりさん用の油揚げと

普通の油揚げみたいな感じでしょうか?笑

 

ほら、こんな感じで

トルティーヤの中に空洞があります。

 

ここに、フリホーレスのペーストを入れていきます。

あんこみたいに見えますが、甘くはありません。

大量に詰め込むわけじゃなくて

全体にフリホーレスが染み込むぐらいです。

小さなスプーンで、2−3杯ぐらいです。

 

 

そして、油を多めに入れたコマル(メキシコのフライパン)で

揚げ焼きします。

 

そして、肉や野菜をトッピングしていきます。

肉は、鶏肉を使うことが多いです。

 

ジャーン、出来上がりました。

説明を聞いてから、見ると

台になっているトルティーヤに

フリホーレスの黒っぽいものが

混ざっているのがわかりますよね?

 

 

これで、同じように見えるお料理が

実は全く違う工程で作られていることが

おわかりいただけたと思います!

 

サルブテスとパヌーチョは

ユカタンの人にとっては

日々の生活に欠かせないお料理です。

 

屋台でも簡単に買えますので、

ぜひ、トライしてみてください!

(ただし、タコスよりは、脂っこいです!!!)