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肥田歯科医院・院長ブログ

平日は21:30まで診療の肥田歯科医院!!土曜・日曜も診療します。さあ、今日も院長は診療します。全ては患者さんのために!!

一般の患者さんには耳慣れない言葉だと思います。


あるいは歯科医師でさえも聞いたことがないよ、などという先生もおられるかもしれない。


「ダイレクト・ボンディング」


とは?


おそらくですが、僕の予測ではこれからはこの言葉が、近い未来に歯科医療を席巻すると思います。


それでこのテーマを今回とりあげます。



まず、簡潔に述べます。


ダイレクト・ボンディングとはコンポジット・レジン(プラスティック材料)をむし歯に詰める治療法なのです。



などというと、


「アホか?そんなもん、なんでわざわざダイレクト・ボンディングなんて言いなおすねん?CR(コンポジットレジン)充填でエエやないか?」


などと関西の同業者からは激しく突っ込みをくらいそうです。


あ、別に関西の歯医者を恐れてるわけではないですよ、僕の地元が関西なだけです(笑)



確かにCR充填なんですが、これは保険治療ではありません。



などと、これも言うと、


「はああ?何寝言を言うてんねん。CR充填なんか、今までずっと保険でやってきたわい。おまえ、保険がいくら儲からへんから言うて、CR充填でアコギに稼ごうって腹か?そんなもん患者さんがやるわけないやろ。保険で十分な治療に、なんでわざわざ高いカネ出してくれるねん」


などという声も聞こえてきそうです。


それもうなずける話です。



CR充填。


これほどメジャーな治療はないでしょう。


むし歯を発見した歯科医師が、まず第一選択として挙げる治療法です。


むし歯を削り、プラスチックの材料で詰める。


審美的に優れ、短時間で治る。


全国で、この治療をやったことがない歯科医師は、臨床的には’いない’といってもイイでしょう。


保険治療の代表格といっても過言ではありません。


これを保険外でやる!というのですから、勉強の足りない歯科医師からすると???で頭が一杯になること間違いありません。


あるいは患者さんにも、わけが分からないと思います。



で、僕が説明いたします。



ダイレクト・ボンディングとはCR充填を超精密にやりあげる治療法なのです。


保険治療のCR充填だって、歯科医師たちはいい加減にやってるわけではありません(一部にはひどい仕事をしてる先生もいますけど・・・)が、ダイレクト・ボンディングからすると荒すぎる治療とも言えないこともありません。


ダイレクト・ボンディングと言うからには、それは明らかに保険内容からははるかに逸脱した、仕上がりも予後も、保険内容のそれとは格の違うものになります。



まず治療時間にそれは反映されます。


普通、保険でCR充填といえば、15分もかからずに簡単な充填なら終了します。


それがダイレクト・ボンディングになると、一歯するだけで平均一時間以上の時間がかかります。


別に、これは術者が未熟だからではありません。


術者がセミナーの講師クラスの先生でも、それぐらいは普通にかかってしまうのです。



そして、まず術者は裸眼では治療をすることはまずありません。


拡大鏡と呼ばれるルーペ、あるいはマイクロスコープと呼ばれる顕微鏡をのぞきながら、おそろしいほどの精度で治療にかかります。



色彩も単一色で詰めることなどほぼありません。


奥歯であろうとも3色以上の色彩を積層し、元の天然歯のように復元します。


検診などに行っても、熟練の歯科医師が診ても、治療した歯かどうか分からない仕上がりになります。


研磨、艶出しも4ステップ以上は工程を踏みます。



何から何まで違うのです。



詰めている材料は、確かに保険適応材料ですが、仕上がりはメジャーリーグと草野球ぐらい違うものになります。



長くなりましたね。


さて次回には、このダイレクト・ボンディングが、何故、保険外にも関わらず、広く世間に浸透していこうとしているのかを説明していきましょう。



高いモノにはそれなりの値打ちがあるということを、分かりやすくご説明いたします。


僕はこれからは、ダイレクト・ボンディングの時代になっていくと思っております。


この言葉を覚えておいて損はありませんよ。


これからの審美歯科には欠かせない選択肢になっていくはずです。

いつの間にか一年の半分を超えましたね。


もう、夏です。


そして来月にはお盆や夏休みを控え、海外旅行などを計画されている方も多い今日この頃ではないでしょうか?


本日はそんな方々に向けてのブログ内容です。


テーマは、海外で歯が痛くなったらどうなるの?ってことです。



まず海外には、保険治療などありません。


ということは、残念ながら、海外で医療機関にお世話になった場合、その治療内容にもよりますが、仮に応急処置であったとしても、とても高額な治療費を請求されるかもしれないことを覚悟しましょう。


海外旅行用のトラベル医療保険に入っている場合は問題ありませんが、これに入っていても歯が痛くなると悲劇が待っています。


何故か?


大体ですが、この海外旅行用のトラベル医療保険には、歯科治療のオプションがついていないからです。


歯科治療のオプションまでつけるとかなり高額になりますし、長期の海外滞在でない限り、このオプションまでつける方はかなり少数でしょう。


僕は今までに、短期のご旅行でこのオプションをおつけになっている方を見たことがありません。


もし、2週間以内のご旅行でつけたことがあると言う方は、是非コメントをください(笑)


何故、そんな高額なオプションをおつけになったのか個人的に興味がありますので。


まあ、それはともかく・・・。



そして後ひとつ問題が・・・。


それは歯科治療は、海外のその地域によって大きくその質にバラつきがあるということです。


幸せなことに我が日本は、アメリカ・欧州などの一部地域で進む保険外治療などをのぞけば、その治療内容の質の高さは世界でも類を見ません。


以前、違う記事にも書きましたが、日本における保険治療の窓口保険負担は、世界的にはダンピングといってもよいレベルです。


そんなクオリティの高くて、かつ安価な歯科治療を普通と思い、海外で歯科治療をお受けになった方の中には、その治療のあまりのクオリティの低さに驚愕をお受けになったという方も少なくないでしょう。



値段は高いわ、質は低いわ、・・・


そんな治療をお受けになりたいでしょうか?


僕なら真っ平です。



そういう海外事情を踏まえたうえで、ここからは皆さんにご忠告です。


悪いことは言いません、海外旅行の前には歯科検診に行きましょう。


渡航予定がはっきり分かっているなら、少なくとも一か月前ぐらいからの検診が望ましいです、


もちろん一か月前以上からでもOK。


というか早ければ早いほどイイです。


何故なら、もし旅行直前に何かが発見された場合は、歯科医師も何も出来なくて、結局患者さんは「不安」と「歯の痛みを誘発する何か」を抱えたまま渡航せざるを得ないという事態もありうるからです。


海外旅行の前には、早いうちに検診を!



後、老婆心ながらもうひとつ忠告を。


何らかの事情で検診をお受けになることも出来なかった場合でも、「鎮痛剤」だけは携行しましょう。


商品名でいえば、ロキソニンやバファリンなどです。


さらに言うなら、抗生剤などもあればより安心ですが、これは医師の処方が必要です。


とにかく、万が一の場合に備えての、薬剤の携行だけはお忘れなく。


海外では、薬剤の処方を受けただけで、何万円も請求されたという事例もありますので。




とにかく、「備えあれば憂いなし」とも言います。


楽しい楽しい海外旅行先で、歯の痛みにともなうトラブルを連想するなど、あまり心楽しいものとも言えませんが、それも旅行に含まれる一つだと思い、準備をお勧めください。


そして楽しいバカンスを!!



海外で歯の痛みに見舞われた場合は、おおむね不幸しか待っていませんのでね。

今回は手短に。


前回、あまり評判の良くなかった記事、「TPPと歯科医療」についての続編です。(5回にも及ぶ長編だったうえに、患者さんからは内容が難しすぎるとご指摘を受け、反省してますが・・・)


なんで、評判が悪いにも関わらず、また続編なんか書くのか?


そりゃあ、凄い大事なことだからです。


でも、今回はかなり簡潔に書きます。



今のところ、混合診療はTPPの条項から外れたようです。


日本の自費診療化を推し進めたいアメリカの製薬会社および保険会社の圧力を、何とか(少なくとも今は)押し返した形になったようです。


自費診療化が進めば、短期的には医療費の抑制を実現できるかのように見えるのですが、長期的視野に立ちじっくり考えると、保険医療の質の悪化を招いてしまい、結局は、更なる医療財源の圧迫を招くと試算されたことも、大きな原因でしょう。


でも、安心は出来ません。


TPPはまだ完全に締結されたわけでもないですし、どこでどう決着がつくのかは、まだまだ予断を許さないからです。


これからもしっかりその後を見守りたいと思います。