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「此のよように、一年の多くを凍てつく大地に覆われた
地にいったい何を求めればよいのか…」
氷の大地に下に咲く花々に目を落としし王は、
「せっかくの春の國より送られた美しき花もこのように
枯れる事無く凍ってしまう…よいのか…悪いのか…。私
には其の生を全う出来ぬ花を哀れに思うがな」
そろそろ参内の時期なりて北の王は花の送り主春の王の
貌を想い浮かべたるにほくそ笑む
あの心優しき王を手に入れらば己が領土は広がり…
「大都に住まうあのいけすかない王に一泡ふかせてやれ
るものにな」
先祖の犯した罪にて流刑同様に流された北の大地で育った
王は野心家なりて最初に狙うは…東の春の國の王なるか…