障がい児、医療的ケア児の就園と保育環境の課題改善について質問しました。

 

 

障がい児のお母さんたちと取り組んだ3月議会については、こちらのブログでも報告

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障がい児の就園について 市政報告会 | ~なないろ通信~ 古川明美 (ameblo.jp)

 

令和7年の開校まで いよいよあと1年となる新特別支援学校は、センター的機能を持ち、市全体の特別支援教育の推進役を果たす学校として大変期待をされています。

教育長からは、障がい児の就学先の決定は安易に学びの場を振り分けることなく、必ず本人や保護者の意向を踏まえた上で話合いにより合意形成を図り、学びの場を決定していくことや障がいの種類や程度に関わらずニーズに応えられるよう、医療的ケアの体制整備や看護師等の人員配置に取り組んでいくことを答弁をもらっています。

合理的配慮の下、本人が希望する場所で教育を受けることが保障される環境整備、これは市立で大規模な特別支援学校をつくるまちとしてとても大切なポイントです。

当然、就学に関わらず就園も同じであるべきですが、実際には、あさけんポストには合理的配慮を求める相談なども見受けられますので、改めて確認をいたします。

 

古川質問 1点目

 

特別な支援を要する児童の就園について、就学と同様に障がいの種類や程度に関わらず、医療的ケアの体制整備や看護師、加配保育士等の人員配置に取り組んでいく考えでよいか。

 

健康福祉部参与答弁

 

 現在本市では、特別な支援を要する児童の就園について、児童が集団の中で困り感や大きな負担を抱えてしまうことがないよう、子どもの最善の利益を第一に考えて保育環境の整備に努めております

また、児童の障がいの種類や程度に応じて必要な保育士や看護師の配置を行っておりますので、今後も引き続き継続してまいりたいと考えております。

 

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各務原市では、子どもを安全に保育することを理由に、障がい児の就園時期は、5月に就園目的の個別交流を行って6月に入園となっており、4月に入園ができません

人口が多い県内の自治体を確認してみましたが、岐阜市、大垣市、多治見市、いずれもそのような運用はしていませんでした。

令和5年12月にあさけんポストでこの件についての質問があり、市は園全体が落ち着かない4月を避けることが子どもにとって最善の利益と考えて、6月入園の措置と説明をしています。

しかし、4月に就園できなかった障がい児は、療育施設にて新たなクラス担任に替わったり、また6月に就園して環境が変わるということもあり、必ずしも子どもにとっての最善の利益となるとは考えられません。

 また、就園目的の個別交流も、もし就園直前に人員を割くことができず就園が困難というふうに判断されたら、保護者は職場復帰が目前に控えていたり、あまりにも配慮に欠けることにもなりかねません。

就園目的の個別交流の期間にはもう少し柔軟性を持たせ、担当児童や保護者、療育機関との関係性を築く期間を設け、加配保育ができるよう人員の確保をし、多くの子どもたちが当たり前に4月に就園できる、そのタイミングで障がい児も同じように就園ができる合理的配慮が必要です。

 実際に、この春、入園希望の兄弟が、年少の障がいのあるお子さんだけが4月入園ができなくて、兄弟一緒に入園式に参加することができないという事例がありました。

お母さんからは、障がい児は入園式に参加する権利も保障されていないと感じて悲しかったという気持ちをお伝えいただきましたけ。

 

古川質問2点目

 

就園目的の個別交流制度の見直しや人員配置をするなど合理的配慮をし、障がい児も4月から就園ができるようにするべきではないか。

 

健康福祉部参与答弁

 

 本市では、障がい児や医療的ケア児など、特別な支援を要する児童を受け入れる場合は、安全にお預かりができるよう細心の注意を払っております。そのため、特別な支援を要する児童から就園の希望があった場合、保育士や保護者、児童発達支援事業所、子育て応援課の職員が主治医の意見を聞きながら打合せを重ね、保育士などの加配や施設整備の必要性について検討し、受入れ体制の整備を進めています。

その後は、就園目的の個別交流を行い、児童の環境の変化に伴う負担軽減を図るとともに、配慮が必要な点の細部を確認し、就園に向けた準備を行っています。

なお、新入園児が多く、施設全体が落ち着かない状況にある

4月の就園は、児童に大きな不安と負担が生じるため、原則御遠慮いただくよう協力をお願いしています。しかしながら、保護者の方の職場復帰の時期を著しく制限するなどの事情がある場合には、事前に御相談いただくことで柔軟に対応させていただいております。

 

古川再質問

 

 4月入園に関してのことなんですけれども、お子さんの安全を第一にということで、今は御理解いただいて6月入園になっているんですけれども、子どもにとっての最善の利益というのは人によって違うと思うんです。

何が安心で安全なのかというのもその子によって違うと思うので、やはり基本は4月。障がいの有無に関わらず一緒にすべきではないか。そこはやっぱり差別になるというふうに誤解を受けることにもなりかねないので、やはり4月入園というところは検討できないのかというところをもう一度お尋ねいたします。

 

健康福祉部参与答弁

 

4月の入園については、先ほどお答えさせていただきましたが、柔軟に対応させていただきたいと思いますので、早めに御相談をいただいて、可能な限り御希望に添えるように対応してまいりたいというふうに考えております。

 

古川再質問

 

相談にのるとのことですが、4月入園に関しては、お母さんの働いている事情とか、そういうのを鑑みて対応するという発言だったと思うんです。 じゃあお母さんが働いていなかったら4月入園は駄目なんですかとか、やっぱりみんなと一緒に入園したいという気持ちがお母さんたちにはありますよね。

そこに関して、これは質問通告で4月から入園すべきではないかというところの考えをお尋ねしているので、そこをお答えください。

 

健康福祉部参与答弁

 

お子さん一人一人状況も違いますし、可能かどうかというのはここでちょっと述べられませんけれど、先ほども言ったように、できる限り御希望に添える体制は取りたいというふうに考えています。

専門職の方も雇いますし、それも早めにやらなくてはいけませんし、そういうことが分かれば、可能であれば4月からの入所もできると思います。

ただ、お約束できるものではないので、御相談をいただいて検討させていただいて、お子様のことを一番に考えていきたいというのは変わりません。

 

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 本市には福祉の里があり、障がいを持つ乳幼児とその保護者が手厚い支援を受ける環境が整っており、早くから療育やリハビリに通っているにもかかわらず、就園の難しさを訴える声が聞こえてきます。

その要因には、保護者から就園の相談を受けてから人員の調整とか環境整備をしているため、就園希望日までに間に合っていない現状が考えられます。

実際に、令和6年の2月のあさけんポストにも、身体障がい、個別的配慮が必要な子の就園状況という質問があるんですけれども、この方からは直接お話を聞きましたけれども、就園に向けて、年少となる1年以上前から福祉の里に年少での入園について度々相談をし、福祉の里から、子育て応援課へ情報を提供していましたが、実際希望する私立園の現場には情報がどのように届いていたのか分からないですけれども、入園直前に年少入園を断られたそうです。

市に相談をして、入園を1年遅らせて、公立の園に通うこと、年中で入園することになったそうです。

 これは、以前も岐阜市の幼稚園に通っていた園児の就学猶予の問題が大きく報道されたときも感じたんですけれども、やはり毎年このまちで障がい児が何人生まれて、それぞれの希望する就園とか就学についての情報をもう少し事前に確認して、体制整備ができる仕組みが必要かなというふうに思います。

産後退院するときに、医療的ケアなど出生時に分かっている障がいの情報というのは、病院から自治体に届いて健康管理課で把握をしています。その後も、場面ごとに障がいの情報というのは把握ができるので、各課で情報を共有していけば、保護者からの就園相談を待つことなく、早期に必要な人員配置に取り組んで、希望する保育が受けられるように計画をしていくことは可能だと考えます。

 

古川質問 3点目

 

就園を希望する障がい児のニーズを早期に把握をし、就園希望日までに必要な支援体制を整備する考えをお尋ねいたします。

 

健康福祉部参与答弁

 

 本市では、児童発達支援事業所などに通う児童が就園を希望する場合、保護者と事業所が就園の意思を共有した上で、事業所から事前に市へ情報提供があり、発達状況を確認しながら、前もって就園の準備を進めていきます。

しかしながら、事前の情報提供が遅れ、希望日までに就園ができない事例があったため、就園を希望する障がい児などを把握した場合には、事業所から事前に情報提供してもらえるよう、市内全事業所に改めて案内をしたところです。

今後も、それぞれの機関と連携を密にするとともに、市も情報把握に努め、可能な限り希望日までに就園できるよう、必要な支援体制の整備に取り組んでまいります。

 

古川意見

 

前向きに事前の協議をして把握を努めていくということでしたので、ぜひ庁内で連携して、お母さんたちからの情報を待つのではなくて、市からしっかりとそういう障がい児の状況を把握して、連携を取って事前に情報を集めていくというところを強化してほしいと思います。

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就園について誰に相談していいのかと思ったときに、お母さんたちはまずネットで情報を調べます。

例えば県のウェブサイトで、岐阜県内における医療的ケア児コーディネーターの配置事業所一覧を確認しても、各務原市には該当の事業所がそこでは確認ができません。

この理由も確認しましたけれども、現在本市のウェブサイトでも障がい児就園までのフローチャートや就園に必要な情報が公開されておらず、職員から口頭で説明を受けるまで保護者が情報を知ることができない状態になっています。そのため、母親の情報収集力や交渉力というのが求められます。

 例えば、障がい児が保育園に就園するためには、5月に保護者同伴の就園目的の個別交流をする必要があるんですけれども、この内容は内規しか存在しておらず、ウェブサイトでは見られないので、市役所とか施設の人から口頭で説明を受けるまで保護者は知ることができません。

また、就園までのフローチャートもネットには載っていないので、保護者が今回公文書公開請求をされたので私も見せていただきましたが、そのフローチャートには、集団にまだ早いと判断された場合は就園できないことを説得するというような不適切な文言も書かれており、お母さんたちは傷ついていました。

 

 

 定型発達児は、ウェブサイトで園の空き状況とか申請手順を把握して、申請用紙も自宅で準備できる環境にあります。

今後こども家庭庁は、2025年10月までに民間保活アプリを活用して、園の見学の予約とか、入園申請までの一連の手続をオンライン化すると言っています。

障がいのある児童も同じように、それ以上に手厚く、詳しく就園までの流れ、障がい児の受入れ実績、医療的ケア児の受入れの状況とか、受入れの条件や制限の有無、看護師の配置の状況など、ウェブサイトでの情報公開というのが必要だと思います。

 

古川質問 4点目

 

医療的ケア児等コーディネーターの配置事業所や障がい児就園までのフローチャートなどの必要な情報をウェブサイトに掲載する考えをお尋ねいたします。

 

健康福祉部参与答弁

 

 県のウェブサイトに掲載されている医療的ケア児等コーディネーター配置事業所については、公表の同意などがなされていないため、本市の事業所は掲載されておりません。

 なお、これまで本市では、児童発達支援事業所などと保護者、子育て応援課が連携を密にし、必要な情報を提供しながら就園の準備を進めてまいりましたが、就園までの全体の流れが目で見て分かるような紙面やウェブサイトは作成していなかったため、現在作成を進めているところです。

今後も必要と考えられる情報を随時精査しながら、市ウェブサイトに掲載してまいります。

 

古川再質問

 

情報を公開できるように資料作成中ということでしたけれども、これはいつぐらいに公開されるとか、めどがあれば教えてください。

 

健康福祉部参与答弁

 

ウェブサイトの掲載ですけれど、既に私も見させていただきましたけど、修正等も今かけておりますので、議会終了後、できましたら早くやれるように対応してまいります。

 

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古川意見

 再質問はいたしませんけれども、各務原市は特別支援学校をつくるまちなんですよね。

小学校のお子さんが4月入学というのは当たり前だと同じように、園児も同じだと思います。

就学のみならず就園も含めて、どこよりも支援が必要な児童とその家族を包括していけるまちであるべきだと、そこが求められていくと思うんですよ、これから。

なので、もっと当事者の声を聞いて、体制整備に努めていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。