プロローグ
2011年×月
目を閉じて座っていると
ガイドしている友人の声が聞こえた
「子どものころのあなたはどんな様子ですか
教えてください」
「はい、刃物を持って
立っています」
うまく言えないが
ヒリヒリするような感覚
再び声が聞こえてきたが
何を言われたか覚えていない
ただ座っていられなくて
横になって胎児のように丸まった
その声に背を向けた
いろいろ言われたが
どんどん自分の殻の中に閉じていく
友人は諦めたようで
優しい口調に切り替わった
これはセラピストを目指す友人が言うには
誘導瞑想という
その人の気づいていない
深層意識にアクセスする方法らしい
私は練習台にならない
最初のモニターだった
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そこから一年後、
2012年4月
フラクタル心理学入門講座を受けた
なんでも解決法がわかるからと
友人が言った言葉に
道を照らされ、
新しい扉を開けた
当時の私は
中3長男の子育てに
とても悩んでいた
こんなに頑張っているのに
どうして私の子育てはうまくいかないんだ
そもそも私はこんなに満たされていない
母の子育ての失敗作だったのでは
と当時恨んでいた
そして今思えば自作自演なのに
その事に自己憐憫し
疲れ切っていた
また、1年半不登校をした次男が
小学校を卒業したタイミングでもあった
ずっと私がいけなかったんだと
次男が学校に戻ってからも
自分を責め続けていた
そこから抜け出そうと
前に進むことを決め、学んできた
あれから9年以上が過ぎた
私が自分好みの色眼鏡で
見たいように世界を見ていたことが
今ならよくわかる
そして、サル山の頂上で
怒りまくっていたボス猿のような
自分の深層意識の思考パターンが
息子のアスペルガーと
つながっていたことがよくわかる
その体験を断片的に
アメブロに7年間書いてきた
過去の自分とは脳内思考回路が
すっかり変わり
悲劇やトラブルが消えた
あたりまえに幸せだった
薄れゆく記憶の中で
その思考回路を特定し
錯覚の世界から抜け出してきた道のりを
少しずつ書いていこうと思う
「母さん、書いていいよ
それにアスペルガーなのは
母さんのせいじゃない
最近は直ったんじゃないかと思うし
もうどっちだっていいんだ」
前しか見ていない息子の言葉
子育ての目的は、その子が一人前になり
社会で生きていけるよう
自立の土台を築くこと
私も前に進もう