先日、私の所属するながれやま栞が会員となっている『東葛飾区母親読書センター』で、交流会がありました。
テーマは「読み聞かせで出会った大切な本~心に響いた本、読み聞かせの魅力~」
各々が大切にしている本を持ち寄り、発表し合いました。
主に小学校読み聞かせボランティアの集いです。
私は、最近は赤ちゃん向けばかりになってきましたが、以前は小学校の朝の読み聞かせにも入っていました。
20分くらい持ち時間があったので、20分びっちり物語絵本を読むというよりは、ことば遊びや詩、わらべうたなどもちょっとだけ息抜きに混ぜ込んでプログラムを立てていました。
思い出の絵本は尽きないけれど
私のベスト1と言えば「かしこいビル」
対象年齢3,4歳~と書いてあります。
我が子が幼いとき、さんざん読んで、一緒に笑った絵本です。
これ、大人が見てもおかしいでしょ!
1926年にイギリスのウィリアム・ニコルソンさんが、お嬢様のメリーさんのために描いた絵本です。
今から約100年前!
でも、イギリスの絵本史上、歴史的価値ある作品として位置付けられているとのこと。良書は永遠、100年前の絵本を今の子たちに読んだらどんな反応をするか興味もあり、小学校5年生の読み聞かせで読んでみました。
すると、
スピード感あふれるスリリングな展開に、みんな大興奮。文の行間を、よーく絵が物語っています。すごい迫力です。
途中で、ある男の子が
なんと!!
なんと!!!
椅子から立ち上がってしまいました。
5年生の男の子の心をも掴むような100年前の本。良書は時代を選ばないと確信した1冊でした。
日本では、1982年、松岡享子さん、吉田新一さんの訳で、ペンギン社より出版されています。
と、私のお気に入りの絵本を発表した後、オチがありました。
その場に居合わせたみなさんが「『おりこうなビル』ですよね」とおっしゃいました。
中には、「私はその作者と知り合いなんです」という方も出てきました。
え?松岡享子さん?吉田新一さん??うらやましすぎる!と思ったら、
間違えました、と。あー、よかった、などと思ってしまう邪な私。
「おりこうなビル」の訳者はつばきばらななこさんでした。こちらは2011年童話館出版より出ています。
一方の「かしこいビル」
松岡享子さんといえば、日本の絵本界を牽引してきた偉大な方。創作の他、石井桃子さんのあとを引き継いで、うさこちゃんシリーズを始め、たくさんの絵本も翻訳なさっています。
加えて吉田新一さん。日本イギリス児童文学会会長、絵本学会会長。ピーターラビットとビアトリクス・ポター研究の第一人者、海外児童文学作品の翻訳、海外児童文学の研究・教育と普及に貢献する方です。
くらべてみよー!
今日は図書館で「おりこうなビル」を借りてきました。
さて、結果は?
皆さんもぜひ読み比べてみてください。