生田よしかつさんが語る捕鯨問題 | 本を読んでも賢くなりません。

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ごく普通の読書ブログのつもりではじめたら、ごった煮のようになってしまいました。

昨年の最後の記事になったIWC脱退は国益かは、なるべくクジラを取り巻く状況をお伝えせねばとした結果、かえって読みにくい記事になったと反省しています。

 

 

昨日の22日、報道特注でおなじみ 豊洲市場仲卸三代目生田よしかつさんが、「虎ノ門ニュース」にゲスト出演され、日本の漁業の問題点とともに、捕鯨問題(IWC脱退)についても分かりやすくお話しされていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特集部分「魚のプロが提言! ニッポン漁業の最大の問題点」

1:08:30~2:01:40

ゲストコメンテーター 百田尚樹  生田よしかつ

 

漁業全体のお話しは1時間ほどで、そのうち捕鯨に関する部分が5分程(1:45:50~1:50:43)

 

 

 

 

概要は、前の記事にも貼った、上のツイートとおなじですが、ツイッターではぼかしていた部分も、放送では語られています。

 

以下、捕鯨に関する部分だけ・・・一度文字起こししたものを、読みやすいよう多少語順やてにおは、など変えています。

 


 

IWC脱退しましたね。
虎8(虎ノ門ニュース)なんか見てる方は「よく海外に(対し)物を言って脱退した!わーっ(嬉)」て、多分言ってるじゃない
あれ実はね・・・クジラの話は長くなるけどいいかな。


南氷洋捕鯨っていうのは 大赤字なんですよ。
何十年も前から大赤字になってて、そもそも南氷洋捕鯨って何かって言ったら、戦後のタンパク質不足の時に日本政府が頼んで、マッカーサーに「じゃあ南氷洋行ってクジラとってこいよ」って言われてやりだしたことなの。
 

だからクジラが昔から食べられていたっていうのはあんまりあたらなくて・・・・地域地域ではあったんですよ。
だけど全国的に日本人が食べるようになったっていうのは、あくまで戦後なんです。
その時はクジラしか売るものがないから、クジラ取りに行くと儲かったの。

 
それで南氷洋捕鯨っていうのを──今で言ったらマルハとかニッスイとか。
クジラで儲かったんですよ、あそこの会社。

 
それがだんだん牛肉とか豚肉とかが出てくるようになって、クジラの需要がなくなってくるんですね。
そうなった時に マルハもニッスイもニチロ漁業も、もう南氷洋捕鯨までやる必要ないね と、撤退をしたかったんですよ。

 
でその時、もう乗りかかった船だからということで 共同船舶っていう会社を3社で作るんですね。
それでもクジラっていうのが採算が取れなくなったんです。
 

採算が取れなくなって、さすがにもうこの3社も引いちゃったんですね。
それで結果的に、ここは国策企業になっちゃうわけですよ。


そこが何になったかって言うと三会堂(注:番組冒頭で話の出た、放送スタジオの前にある建物。生田さんによると、水産庁の天下り先が多いらしい)と一緒で 天下り先にどんどんなっていくわけですね。
で天下り先になって、そこの利権を確保するために、南氷洋捕鯨っていうのを守りに入ったんです。

 
南氷洋捕鯨を続けようっていうのが官僚の(意向で)・・・税金がバンバン(投入された)
だからあれですよ、一時東日本大震災の復興予算がそこに流れていて、国会でも問題になったんですから。

 
そこから50年経ってるんです。
それでいよいよ、そこ(南氷洋)に行く船が日新丸と勇新丸って言う2隻がもう共同船舶株式会社HPによると4隻) 老朽化の極みになっちゃってる。

 
新造船を造ろうとなったら500億かかっちゃう・・・合わせて2杯造ったら1000億になってしまう。
さすがに天下り先でも1000億の予算はつけられない、じゃあいよいよ南氷洋捕鯨から撤退をしよう

 
だけども今まで日本は、シーシェパードは育ててしまう、グリーンピースは育ててしまう。
南氷洋捕鯨は正しいんだと言い続けていた(手前)引けなくなった、そこで出てきたのがIWC脱退なんですよ。
 
 
IWCを脱退すれば、国民の目はみんなそっちに行くわけです。「おおよくやった、よくやった」と。
それで結果的に南氷洋捕鯨から撤退をする、しめしめです。

 
だから数年したらたぶん、IWCに戻ります。
また戻って今度はEEZ(排他的経済水域)内での捕鯨を、世界的に認められた産業にしていくということになると思います。

 
計り知れない税金がそこ(南氷洋捕鯨)に流れていただけです。
だからあれは完全なすり替えでした。うまいことやりやがったなっていう感じです
 

 

 

 

捕鯨は国民の多くも、文化・伝統面からも支持する声が多いのですが、実際は「商業」としては成り立たず(確か年間一人当たり30グラムくらいしか食していないという数字を見ました。後で確認します)、国策企業のように中身を変えて生きながらえてきたものの、南氷洋からは撤退せざるを得なくなった・・・

 

 

生田さんの読みが正しければ、この度のIWC脱退は、国内向けの目くらましであり、ほとぼりが冷めた数年後に、IWCに復帰してEEZ内での商業捕鯨を目指す(その場合も企業は参入しないはずなので、また税金が使われますね)といいますが、さてどうなりますか・・・

 

 
 
 
 
生田さんの話にも出てきた、「シーシェパード」や「グリーンピース」が反捕鯨のシンボルにした和歌山県太地町が舞台となり
 
捕鯨と反捕鯨、ふたつの正義がぶつかる様と、その思想の由来など、原因に遡って書いた、映画「おクジラさま」を撮った監督ご本人による本を読みました。
面白いです。これはおすすめです。
 

 
 
昨年5月「文藝春秋6月号」を見てでチラっと書いた、勝川敏雄氏の「魚が食べられなくなる日」
生田さんの話す日本漁業の危機は、この本に書かれているのと同じく、乱獲によってかなり危ないところにいるというものでした。

 
海が勝手に生み出してくれる資源、魚。利子だけ食べて行けば永遠に長持ちするものを、日本は今、元本まで食い荒らしている状態です。
(本マグロはいうに及ばず、イカもホッケもニシンももうダメみたい・・・)


「水産庁」がまともなお仕事をせず、漁獲割当てを個別にする労を惜しんで(憎まれ役になるのが嫌で)、結果オリンピック方式(全体での漁獲可能総量を設定し、それに達した時点で漁獲を制限・・・つまり早い者勝ち)によって、小さな魚まで獲り尽くされてしまううえ、価格も安値になるという大いなる無駄をしているのです。
 
 
日本の漁業がここまで危ないとご存じなかった方は、お暇があれば動画を視聴してみてください。
 
 
 
 
毎日眠くて眠くて・・・
リズムが狂ったままです
なかなか伺えずごめんなさい


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