還暦不行届 | 極楽ブログPart2

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世の中に寝るより楽はなかりけり浮世の馬鹿が起きて働く(「母の教へ給ひし歌」なのです)

庵野秀明サンの奥さんである漫画家の安野モヨコさんが書いた「還暦不行届」を読んだ。




結論:2人とも超変人である。


TVのドキュメンタリー番組で紹介されたが、庵野サンが仕事に取り組む時の集中力は、常軌を逸している。狂気の人と言ってもいい。


が。


仕事を離れると、ゴーイングマイウェイで、とにかく呆れるほど何も出来ないし、好き嫌いが激しく、謎ルールが多い。間違いなく発達障害だと思う。


モヨコさんは、そんな庵野サンの三人称を監督と書く。


監督は、言いまつがいの大家である。


例えば。


「そーなるともうテコとして動かん‼︎」


「これは口を大にして言いたい」


「こうしてゆっくりワイングラスを飲むのもいいね」


「わしを大人扱いするな!」


ワタシもTuko語録をつくっているので、モヨコさんの気持ちは、よくわかるのだ。(内緒)


モヨコさんは、そんな監督を辛抱強く教育していく。


本のあとがきで、モヨコさんが自身について語っているところによれば。


「漫画家としても人間としても相当厄介なタイプなので、夫婦対抗偏屈合戦があったらおそらく勝者は私なんじゃないかと思っている」


こういうのを日本語では「毒を以て毒を制する」というんじゃないかしらん。


モヨコさんの本職の漫画は、いわゆるお目々キラキラの少女漫画風のものが多い。


ところが、この本に添えられた監督や自身の絵は、西原理恵子風の描きなぐりで、これがまことにオモチロイのである。


恐らく。


モヨコさんは、監督の異常な生態を戯画化することで、ストレスをうっちゃっているのだろう。でなければ、こんなケッタイな配偶者と20年も一緒にいられる訳がない。


15年前に書かれた「監督不行届」も読んでみるかな。