ふくろうくん
アーノルド・ローベル, 三木 卓
ふくろうくん (文化出版局)
<出版社/著者からの内容紹介>
おひとよしで、ちょっぴりまがぬけていて、善意あふれるふくろうくんの物語。見事な絵と語り口の、いぶし銀のような絵本です。読みきかせに最適。

記念すべき第1作めは何にしようかなあと悩んだ末、この絵本にしました。

アーノルド・ローベルといえば、小学校の教科書にも載っている「ふたりはともだち」が有名ですよね。

アーノルド・ローベル, 三木 卓
ふたりはともだち

がまくんとかえるくんの友情物語なんだけど、ただ単に「俺たちなかよし、ともだちだ~」って話じゃなくて、ちょっとひねってて、くすっと笑えるおはなしです。(この絵本については、また今度)



で、こちらのふくろうくんは、友だちっているのかなあ?

(たぶん)大きなおうち(暖炉も2階もある)で、いつもへんてこなことを考えている、

ちょっと変わったおじさんふくろうの、とある一日。


「おきゃくさま」 (a)

ドアをあけて招き入れた「冬くん」に、家の中をすっかりあらされて大慌て。


「こんもりおやま」 (b)

ベッドにはいって寝ようとしたとき、毛布の下にふたつのやまをみつけてまたまた、大慌て。


「なみだのおちゃ」 (c)

悲しかったことを思い出しながら、やかんに涙をためて、それでお茶をいれて、大満足。


「うえとした」 (d)

同時に1階と2階にいられるやりかたがあるはずだぞと、階段を上がったり下がったり・・・。


「おつきさま」 (e)

家に帰るあいだ中、話しかけても何も言わないでついてくるお月様に「ずっとついてきてくれて、なんていい友だちなんだ!」と幸せを感じる。


以上の5編なんだけど、どれも、最高におもしろい。

特にa,b,dは、子どもに読んでやってても、こっちも笑い、子どもも笑いで、どツボにはまってしまう。

c,eも、おかしいんだけど、最後は、しんみりした気持ちになります。