ガラッパの謎が解りやすいQEDみたいで読みやすかったので、探してみた一冊
前作が名前の色々から引き籠りになってしまったけれど実は有名歴史小説家とその幼馴染に振り回される異性の少年というのがいかにもラノベ的なキャラクターだったので、、歴史ものとしてのめりこみにくいなあというのが少しあったのですが、今回は女子大生と若き助教授。いや今は准教授でした失礼。
こちらの方も最近の設定としては珍しくない形ですが、わがままだけどオレしかいない幼馴染を助けるオレよりは共感しやすいです。
両面宿儺=奇形は思ってる人も多いけれど色々タブーが多くて、取り上げなかったことをちゃんと説目してくれているという印象。ただここまではまあ、思った事があってもインドの神様が手や顔が多いのはこうした製鉄技術やヒ素関連が、そうした特殊な形の赤子を作り、それが神の恩恵として判断されていたからではという解釈は、なるほどと面白かったです。
主役が民俗学をやりたいと思う理由になった、従兄の事件については従兄の爪の甘さが原因だよなあと思ったり、部外者である人がそんなにどんどん教授室に(実際大学は入りやすい場所だと思うけれど)勝手に入ったりいいのかなと思う個所は多々ありますが、発想の転換というミステリで、興味深かったです。