集英社文庫の猫すごろくになってる表紙可愛いですね

通販探してみたけれど古本しか見つかりませんでした。

…うん、この内容はちょっと一般的に受け入れがたかったんだろうな…と思わせる内容でした。

 

まずはじめに、私はこの作者さんが嫌いではないし(2冊は本を今も持ってるし過去にも何冊か読んでる)猫も好きだし、怪奇現象アンチではありません。

ただそれだけ揃ってても読んでて「なんだこれ」となる本でした。

 

まず猫が飼えない状況だったから、ペット可のマンションに移って、ご縁があった猫を飼いたいという冒頭部分は、楽しく読んでいます。

しかし引っ越しして街猫という名の野良がいたら、この状況で幸せそうだからと、エサやりを言い訳しながらやる。

可哀想だから目の前のエサのない状況を見逃せないって言うなら、飼ってやれよ…とはどうしても思いつつ、その後病気でボロボロの猫を拾って、本題はここからという感じ。

 

持病もちの猫ちゃんにン十万円ぐらいの治療費かかってんだろうなあという部分は、素直にすごいと感嘆しつつ、そこから段々内容が怪しくなり「私が苦しんでいる子を救ったから他の邪険にされた動物の霊たちが近寄ってくるようになった」「高値で修復してくれた白澤の絵を飾る事で問題が解決した」「猫から黒い虫のようなものがいっぱい出る(実際にではなく、作者さんの視界ではそう見えるといったもの)、これは悪い病気の具現化」「合わない薬を使っていたら白い粉のようなものがいっぱい出る(これも作者さんの視界)」「猫から黒い虫の親玉みたいなのが出て、それを焼いたら落ち着いた」「夢の中で男が出てきて現実でもその男に絡まれた」「猫が喋った」

 

オカルトは否定しません。ただ作者さんの目でしか見えない物を延々と語られる描写が続くとさすがに…

作者さんには見えるものなので、事実を語っているだけなんでしょうが「宇宙人が猫をくれた、その宇宙人の特殊な装置で病気が虫に見えるオーラが発生するようになった」という話をずっと聞かされるのと同じ感じと、作者さんに言ったら伝わるかなあ…。

あと猫に関する作品好きで、霊感ありという漫画家さんの猫エッセイなども色々読んでますが、猫は猫としてここまで一般人がついていけない話は見たことがない…。

 

タイトルは猫怪々だから、まあ看板に偽りなしですが、病気をオーラで直した気功で直した、黒い虫をやっつけて治したという展開に眉を潜めぬ方なら楽しめるかもという内容です。