居酒屋ぜんやシリーズ 四冊目
すごく気軽な料理物かと思いきや、あっさり人死にが出るのにはびっくり
軽さの裏に、はっきりと解決されない「ヒロイン役を狙う 偉い人」「謎の浪人の思惑」といった重さがうまく練りこまれています。
今回最大の注目ポイントは、進展しないお気楽次男坊とヒロイン役のぜんやの女将の間に、用心棒役浪人があらわれた点でしょうか

またお気楽次男が、お気楽でいられる原因となっている「すばらしい声音の鶯」に雛が生まれた点もちょっとした進展になっています、
表題になっているかるめいらは、姪っ子の祖父にあたるイキな同心が、手ずから作るという設定。
私の知ってるカルメラは、黒砂糖に重曹(byクッキングパパ)なのですが、もともとは卵白を入れていたのですね、知らなかった。
そしていまだに食べたことないお菓子なのですが、一口食べてみたくなりました。

さてカツオの血合いの大葉巻といった料理の味わいが想像つかないものも、おいしそうに表現されていて「食べてみたいな」と思わせる料理が読む楽しみを引き立たせてくれる一冊。
さくさくかるめいらというタイトルも、かわいくておいしそうで好みです。