紅雲町珈琲屋こよみ シリーズ4冊目
今回は事件きっかけのやり取りのせいで、シリーズの中で始めて、ずっと色々もやっとしたまま読む形になってしまいました。

主人公が年配の女性でそれでもしゃきしゃき働いていて、自分でできるおせっかいと、できないおせっかいがあるというのが好みの短編連作集
人情話は好きですが「お金はいいのよ、かわいそうだから私が面倒見てあげるわあなたは気にしないで!」を連呼する主人公は、現実みようよきれいごとだけじゃお金や仕事はついてこないよ?とか思ってしまうのですが、このシリーズの主人公お草さんは、そこらへんをきっちり見詰めて自分にできる親切を心がけているので、読みやすいです

しかし今回は事故に会いそうになり、とっさに除けた際に人のお店のマスコットキャラクターにぶつかって傘を差し込んでしまい破損
それの弁償を求められて、プレミアがついた高価なものだと知ったのに菓子折り一つで
「事故だったから勘弁してくれないかしら」
弁償を求めたお店の主人に対し
お草さん側の人たちは「ひどい 事故だからしょうがないじゃない 弁償を求めるなら車を運転していた方にするべき!」と憤る
……えええ、たとえ車から除けるためとはいえ、壊したのは自分だよね?
仮に弁償を求めるなら、壊した人がとりあえずお金を払っておいて、自分がその運転手に弁済を求めるべきなんじゃないの??

しかも壊したものが高価だと知ってるのに、菓子折り一つ??
…というのが最後まで気に掛かりました。
しかも事故が一方的に他人が悪いというならともかく、お草さんが雨の中傘をさしてしゃがみこみ、周囲を見ないでふらついて立ち上がったとかそういう状況っぽくて、真摯に謝る様子もなく「事故だから」ってのはちょっとなあ…

せめて弁償額をまけてくださいとかならともかく、自分のお店で自分がこだわり持ってる椅子みたいなものも、今回お話の小道具として出しているだけに、人様のこだわりはないがしろなのかなーと最後まで、本筋の方に入り込めず、残念な結果でした

次の本ではまた、好きになれるといいなあ