早川書房

基本SFはあまり読まないのですが、数少ない読書量の中で一番のお気に入りはこれ
再読の感想です

未来の、宇宙に浮かぶ巨大博物館
データベースは適正のある者の脳内に直結され、色んな情報を瞬時に分別、分類できるシステムができあがっているが、やはり扱う人間の本質は変らず、様々なトラブルが…という短編集
SFだけど、少しミステリ要素も有美術ネタもあり、人情話もありとSFが苦手な方でも興味深く読める一冊です

漫画ギャラリーフェイクのような美術品にまつわるミステリがお好きな方は、雰囲気が違っても美を愛する…という点で同一として、楽しめるかと

ちょっと気弱な日系主人公と、謎の行動が多い天然な妻、エリート意識の強い後輩に、アネゴ肌の先輩と人間関係もそれぞれの性格がわかりやすく書かれ、現代と変らぬ会話を未来都市で進めてくれ、共感を持って読みやすいです
(SFがちょっと苦手なのって、人間が機械に順応しすぎていていまいちピンとこない…という点があるからなのですが、このお話ではバージョンアップに関わる悩みや、機械は万能じゃないと教えてくれる部分があるので、キャラクターたちの気持ちが解りやすいです)

この本をきっかけに、この作者さんの別のお話なども読むようになりました
気軽に読めて、どこか優しい一冊です

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