文芸春秋


ドラマ化で有名になった、探偵ガリレオシリーズ(物理学者湯川シリーズ)
…ドラマはイケメン系とばかり福山雅治が演じておりましたが、作者さんは佐野史郎さんをイメージして作品を書かれたというのを聞いて…脳内ではどちらで想像しつつ読めばいいのか、ちょっと混乱したり(笑)


ただ、やっぱり実際の映像化を見ているせいか、脳内でガリレオの台詞を再現する時福山版が強いです


この作者さんは作品がバラエティーにとんでいて、良作も多いのですがたまに外れも…(趣味によるかと)これは十分に面白いレベルでした


あ、調べたら第134回直木三十五賞なんですね納得


科学トリックを使ったアリバイ崩しを楽しむシリーズですが、これはどっちかというと心理作戦的アリバイ崩し
やっていることは地味かつ淡々としてるのに、なぜか漂う緊張感でラストまで飽きずに読めました


犯人と容疑者は事件当時からはっきり明記されてるので、だいどんでん返しは望めませんが、それぞれの思惑が交錯する様子にどう決着がつくのだろうとひきこまれます


ラスト やったことは最悪で犯罪だけど、その単なる自己満足一歩手前の純愛は少し胸をせつなくさせます
最後の最後で、タイトルの献身の意味がきいてきて、やられました


容疑者Xの献身 (文春文庫)/東野 圭吾
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