552円 創元推理


 …嫁洗い池が面白かったので、続けて読んだシリーズ。


うーんお話の重くなりすぎない展開と、
複雑なトリックというよりは謎解きといった感じの
ノリは読みやすくて好きですが…
嫁洗い池でも書いた感想が、際立って3冊目を手に取りたい
感じじゃないかな。


 ホームズ役である奥さんが、理想化されすぎていて
同性から見ると、『こんな女いないっ!いたら普通は
亭主に奴隷化されて虐げられてる女が、人前では
ニコニコしてるだけだよっ!』…となるほど出来すぎた人間
なので、ヒネクレ者な自分としては
素直にお話に溶け込めませんでした。


 旦那の友人がいきなり来て、旦那と二人きりの夕食分として
作っていた夕飯に相伴、苦手だという殺人の話をべらべら…って
口先で「美味しそうに食べてもらって嬉しいわ」なんて
言ってても内心「来る前に連絡もなく、図々しい!
とっとと帰れ!!」
…が本音だよなぁ。

しかも途中で驚いたのは、その図々しい友人が
奥さん持ちだったって事。友人妻、自分の旦那が郷里の名物を
主人公奥さんにせっせと送り、調理法指示したあげく居座ってる
なんて聞いたら「自分で作るか、せめて自分に教えろ」って
いたたまれないだろうし。


 シリーズ読み続けても、同じ感想になりそうなので
この本の一番最初の「ミミズクとオリーブ」で最初から
こんな聖女みたいな奥さんだったかと、確認したいです。
 あと、お話自体は好きなのでカリカリしないよう
他の小説なら読んでみたいかな。

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