552円 集英社文庫


 女性に好かれそうな、悲しみなども散りばめつつも
ほんわかとしたお話を色々と書かれている
作家さんなのに、表紙裏の案内文やタイトルで
ちょっと損してるなぁと、毎回思う。


 好きな内容だけど、これを「ミステリ短編10編」
との説明のみで手に取ったら、いまいち納得いかない。

 確かに何作かはミステリ要素があるけれど、
むしろファンタジーと断言したほうが、説明文だけを
読んで手にした人にはひっかかりが少ないと思う。

 …ネタばらしをする訳にはいかないので、
たとえ話になるけれど 夢を渡り歩けてかつ超能力が
使えてさらに透明人間にもなれるといった人が完全犯罪を
行いました…というような話でも(このたとえ話は本編とは
まったく関係ありません)それは凄い!究極のミステリだ!!
と楽しめる人なら問題なしですが。


 題名もちょっと古風な感じなので、本格系を想像して
手に取ったのですが、推理するという過程を楽しむには
物足りない印象です。
 
 現代的ファンタジー…が好きな人にはお勧め。
ミステリ…と思って手を伸ばすの人にはどうかなー。

沙羅は和子の名を呼ぶ/加納 朋子
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