476円 文春文庫
1話目が怖い話や都市伝説の元となるほど
微妙に怖さを醸し出してる夏目漱石の某お話に
似てたので、全部そんな感じかなと思ったのですが
そうではなく、一編一編奇妙な味わいのある
ストーリーでした。
謎…があって解決があるのですが
タイトルが「前世」とあるだけあって、
推理モノと呼ぶには微妙。空気的には
純文学的だよな…と思って読んでいたら
直木賞受賞作だそうで納得。
ちょっと割り切れないもやもや感と
それだけじゃない平凡生活の中のふとした
記憶がダークな思い出に繋がるバランスが
良い意味で読み手にも不安感を与える。
きっちりすっぱり解決モノでなければ
いやっ!…という主義の方にはオススメしませんが
ホラーほど怖くない、暗めのお話好きの方には
気に入られそうです
- 高橋 克彦
- 前世の記憶