619円 学研文庫


 作者さんの名前を見ず、1話目を読んだ時点で
「あ~男の作家さんが書いたものだろうなー」と
思って表紙を見て、そのままで思わず笑う。
 
 美人で儚げ、けなげかつしっかりして頭も良く
気立て良し…なんて登場人物は、女性にも好かれますが
短編1話に二人も、女性作家さんなら出さないだろうな。
 
 悪くは思わないけれど、人目に出るたびに
美しさに憧れられ、同性からも見惚れられ
ちょっと知り合った人には、恋心抱かれるという
主人公は大変そうだ。

 …男性主人公が美形の場合って、最初は
美形でも「この方の中身(仕事)は
すばらしい…外見だけに目を捉えられていた
自分が恥ずかしい」となるのに、最後まで
美しいお嬢様評価で終わるから、
ある意味気の毒だなぁ。


美人で、貧しい人には自腹切っても治療して
なにがあってもひたすら庇う…。

…幼い子が読む少女漫画や童話なら、素敵な
主人公だけど、ある程度年齢重ねた人が
好む傾向が多い時代小説でこの主人公って
受け入れられるのかなと疑問。


 悪い読み味ではないけど、どうも
綺麗過ぎる主人公が薄っぺらな印象をうけました。

この方の男主人公モノだとどうなるか、
そちらに興味が湧きました。

藍川 慶次郎
紅葉の坂―薬研堀小町事件帖