600円 角川文庫
不思議な話のエッセイ集。この作者の小説に興味なくても、
人間誰でもちょっとは持ってる不思議モノ好きの
心をくすぐってくれる。
河童に幽霊、座敷わらしにUFO
宮沢賢治はゴッホの生まれ変わり
素朴で懐かしい遠野物語の、基本となった
物語はもっと奇怪で恐ろしいなど、
「こわっ」と声を上げるほどではないが、
背中がぞくっとしてくる、じわじわした
語り口が印象的。
他の出版社から別形態で出ていたらわからないけれど、
タイトルの『黄昏』にふさわしい表紙イラストと
それに纏わる不思議な因縁話も、興味深い。
***************************************************
- 高橋 克彦
- 黄昏綺譚