600円 角川文庫


不思議な話のエッセイ集。この作者の小説に興味なくても、

人間誰でもちょっとは持ってる不思議モノ好きの

心をくすぐってくれる。


河童に幽霊、座敷わらしにUFO

宮沢賢治はゴッホの生まれ変わり

素朴で懐かしい遠野物語の、基本となった

物語はもっと奇怪で恐ろしいなど、

「こわっ」と声を上げるほどではないが、

背中がぞくっとしてくる、じわじわした

語り口が印象的。


 他の出版社から別形態で出ていたらわからないけれど、

タイトルの『黄昏』にふさわしい表紙イラストと

それに纏わる不思議な因縁話も、興味深い。

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高橋 克彦
黄昏綺譚