1200円 講談社
北斎=隠密説はこれが初出?
今でこそ、テレビの世界不思議発見などで
北斎=隠密説が通っているが、これが出版された頃は
ものすごい画期的な説だったと思う。
北斎は知っていても、何度も改名した事や
日本各地の旅行は、晩年に近い物が多いなどの
普通では見逃す点を、上手く説明。
登場人物に、一般人である主役だけでなく
上手くまとめてくれる名探偵役が出た点も
前作より読みやすくなっていると思う。
(ちなみにこの後 塔馬はあちこちに
シリーズとして出演している)
通常に隠密説だけでは、めんどくさいと読み飛ばしてしまい
そうだが、ミステリと絡めた点で浮世絵に興味ない人にも
感心が持てるようになっている。
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- 高橋 克彦
- 北斎殺人事件