イメージ 1(2012年12月1日読了)
 
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。
唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊びー。(「BOOK」データベースより)
 
紀行作家の父から、マルキ・ド・サドをもじって名づけられた鳴木戸定。
書籍編集者の定は、身なりに無関心、感情を表さずに人付き合いも
機械的にこなす。
一方で、彼女は、旅先でワニに食べられて死んだ父親の死肉を食べた女
として、世間に名を知られていた。
ふくわらいが唯一の趣味である彼女は、猪木になりきれなかったロートル
プロレスラーのエッセイを担当することになってから、人との距離を少しずつ
縮めていく。
「作品を書かせたかったら、今すぐ雨を降らせろ!(またはやませろ!)」
という作家の無茶な要望に応え、街でナンパされた盲目のイタリア人(と日本人のハーフ)の男性に処女を
捧げる定の、何物にも汚されない真っ直ぐな姿を描くエンタメ小説の傑作。(「楽天ブックス」より)
 
とにかくすごい! すごすぎる!!
このタイトルから、この内容を、誰が想像できるだろうか!!!
主人公、鳴木戸定の生い立ち、人格、周りの人々、関わっていく人々、その個性はすべて異彩を放っている。
 
そんな、私の考えられる一般的な人間ではない人たちが、一般的ではないことをしているというのに、
なんだか共感もできるし、心が動かされていく。
 
西さんの頭の中って、どんなふうになっているのかしら?
こういう発想は、どうしたらできるのかしら?
 
風変わりな本なので、きっと、受け入れられない読者もいることと思いますが、私にはバッチリあってしまった。
「先っちょ」 の言葉の行方も、面白くて、素敵でした。