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人生の行き止りを意識するようになった浩平は、雪の日に一度だけ接吻を交わしたことのある学生時代のゼミ仲間・重子と再会する。彼女に勧められ、携帯電話を初めて手にした浩平は、掌の中の重子と密かに交信を始め、しだいに想いを秘めたメールのやりとりにのめりこんでいく…。70歳を越えた男と女の純愛小説。
(Yahoo!ブックスより)

 

新聞の本の紹介コーナーに “妻に先立たれた70代の男性が、大学時代の友人と再会し、
老いらくの恋におちる” というような紹介文があり、この 「老いらくの恋」 が気になっていました。

 

 

何と薄い本!!(゜o゜) それに字も大きめだし、行間も広くって。 
この作品の前に読んだのが、宮部さんの大作だったので、持ち運びに物足りなさを感じるくらいです ( *´艸`)

 

 

本の中に、感情移入してしまう性質なので、正直、「老いらくの恋」 の速度、成り行きは、他人事すぎて、
胸にぐっとくるとかは、ありませんでした。

 

 

「人生の行き止まり」 という言葉が出てきますが、とても上手な表現をしているな~と思いました。
認知症になった昔の上司には、「行き止まりから引き返してくる途中」 と表現されていて。
「人生の行き止まり」 に向けて、身辺を綺麗にしたいけど、いざ処分となると出来なかったり。
私も両親を亡くしてから、出来るだけ自分の物を増やさないようにと思いながらも、
両親が使っていた引き出物や、商品のおまけで付いてきた食器などが捨てられずにいます。
「行き止まり」 を考えるには、私にはまだまだ早いのでしょうけど、わかる気もします。

 

 

読み終えてから知った事実… 黒井さんは、なんと78歳!
薄い本と言うこともあり、あっと言う間に読み終えてしまいましたが、お年を考えると、
感想も変わってきます。
これが、78歳の方の作品!? 全てが、「はは~」 と、ひれ伏してしまいそうな私です。
なんでもないことに、深みを感じます。

 

 

老いらくの恋の二人で生きていくという選択肢が、ひとかけらも出なかったのは、78歳だからこそ
なんでしょうね。 その方が、断然現実味がある (*´ー`*)
良い経験をさせていただきました。

 

 

 ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄― ̄)┘/┌(⌒∇⌒)┘ ≫≫≫≫≫≫ 

 

 

次に読んだのは、三浦しをんさんの 「きみはポラリス」です。