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タイトルから勝手に想像した内容  
… 黒髪の乙女が主人公の、爽やかな物語 … とは、
まったく違った、妄想満載のエッセイ本でした。
竹だけに、モウソウ ~ (;一_一)

 

「竹林」 には私にも思い出があって… 中学生の頃に、竹林さんという、転校生がいました。 
マッシュルームカットの愛くるしいお顔立ちなのに、ちょっぴり変わっていて。
彼女のニックネームが、「ちくりん」 → 「ち」 のところを強くしてね。 可愛いでしょ (o^-‘)b
そんなことを思い出し、こだわって 「チクリン」 と読んでいました。
「ビジョとチクリン」 の読み方で、間違いないでしょうか?

 

 

文中で、森見さんは、ご自身のことを 「登美彦氏」 と呼ばれていますので、私も。

 

 

登美彦氏は、竹林をこよなく愛しています。 大学時代には、竹の研究をしたりして。
小説家としての未来を心配して、多角経営をたくらみ、MBC(モリミ・バンブー・カンパニー) を設立するべく、
同僚の鍵屋さんの所有する竹林の整備を始めます。
でも、登美彦氏は 「タンポポの綿毛のように繊細で、子兎のごとくさびしがり屋」 なので、あれこれ
言い訳をつけて、絶対に、ぜ~ったいに、一人では、竹林に行きません。 他人頼みです (^_^;)

 

 

個性豊かな方たちがたくさん、何かの作品に登場していた 「もちぐま」 も登場していますが、
最初に一緒に竹の伐採をした、「嫁を大事にする男」 明石氏と、歯ごたえのあるケーキを作られる、
吉永小百合さん似の鍵屋さんの御母堂、この御二方には、是非とも、お会いしたくなりました。
鍵屋さんの竹林に行けば、会えるかしら?

 

 

全体的に、映像が目に浮かぶような作品でしたが、特に、腰を痛めた登美彦氏のシーンは、さわさわとした、
清らかな風を感じました。
「一人ぽっちになり、太い青だけにぴったり背をつけたまま、ジッとしていた。 …まるで自分が一本の竹になったようである。… 『なるほど。これが竹の気持ちか』 登美彦氏は感心した。 『ずいぶん淋しいものである』 風が吹くたび、登美彦氏は自然に生きる竹の強さと孤独を、味わい続けた」

 

 

タイトルの 「美女と竹林」 について。 明石氏に、「美女は?」 と、聞かれ、「それは今後の課題だ」 
と答えています。
登美彦氏の好きなもの繋がりということで、良かったでしょうか?
そのことに関して、どこかで書かれていたと、うすら覚えているのですが、読み終わった本をひっくり返しても、
その場面に行きつかなくて… ただ、記憶の中に 「美女 = 竹林」 の方程式が思い浮かぶだけです。

 

 

登美彦氏は、「本当に才能がある人ならば、頭から湧き出ることに手が追いつかないはずだ」 そして、
「…むしろ手の方が先にゆく。だいぶ先へ行って待ってる。これは才能がないということだ」 と、
ご自身のことを言っています。
「才能がある人は、すべてうまくこなす」 そういう風に考えませんかねぇ? 屈折しているように感じます。
巻末のほうの、多角経営の未来について書かれている部分も、もちろんすべて妄想。
妄想が激しすぎます (≧∇≦) 屈折した妄想作家と読んでもいいですか? もちろん愛着を込めて❤
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この本と同じ時期に借りていた本が、貸出期間内に読めなくて、次に順番待ちをしている方も
いて延長もできず、読まずに返してきました。 残念だ~
さて、明日からは、何を読もうかな?