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しばらく、グロい話は読まないと決めていたのに、借りてしまいました。

 

あとがきにあるように、大学を卒業したばかりの乙一さんが、長編を書くことは、作家として生きていくには
越えなければならない壁だと思って、初めて書いた長編です。

 

 

童話 「アイのメモリー」 と、記憶障害になってしまった少女の話が書かれています。

 

 

「アイのメモリー」 は、とことん暗い内容で、童話にありがちな、教訓めいたものも無かったと思います。 
でも、確かに童話に思える。 文章のたて方が、違うのでしょうか? 
… とても、子供に読み聞かせできるものではないですけど。

 

 

突然の事故で、左目と記憶を失ってしまった菜深。 
裏ルートで手に入れた、左目を移植した時から、記憶ではない、映像を観るようになる。
それは、左目の持ち主だった人間の記憶。 記憶のない菜深は、その記憶を大切に思うようになり、
映像の場所である、持ち主がかつて住んでいた街へと旅に出る。

 

 

行方不明になった相沢瞳。 持ち主の姉の砂織や、あり育ての親である叔父。 
喫茶店 「憂鬱の森」 の木村、常連の潮崎、住田、京子。 
喫茶店にかけられた潮崎の絵画、知らないうちに置かれていた童話 「アイのメモリー」

 

 

三木に傷つけられたものは、どんなに傷つけられても、痛みを感じず、生き続けていく。
細かい描写に、私の想像力発揮 ~ (-Д-;)  寝つきが悪かったです。
小さな乳母車に乗せられている相沢瞳は、映画 「魍魎の匣」 の谷川美月ちゃんを、思い出してしまいました。

 

 

乙一さんの作品なので、犯人が逮捕されたり亡くなったりして、「おしまい」 ということは、
決して期待しないと、自分に言い聞かせて読んでいきました。。。 が、珍しいこともあるんですね。

 

 

あとがきに、読者に対して申し訳ないと、乙一さんが告白しています。
たしかに、グロいところの乙一色は満載だったけど、やっぱりラストがもうひとひねり欲しかったですね。
… って、私はナニサマ? (^_^;)

 

 

乙一さんって、最近本を出しているのでしょうか? 図書館に置いてある本に動きはないです。
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そして今読んでいるのは、森見登美彦さんの 「有頂天家族」 です。 順番待ちして借りました。