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この作品は、以前から気になっていました。 奥田さんの作品、すごく久しぶり。

 

タイトル通り、「家」 ~ 「家族」 (と言ってもいいかも…) にまつわる物語。 全6篇、収録されています。

 

 

『サニーデイ』
ネットオークションに生きがいを感じてしまった主婦。 誰かに褒められる嬉しさ。 わからないでもないな~
ブログを始めて、読んだ本のことや、家族のことで、共感したり… まぁ、ここまで依存はしないけど。
夫の秘蔵品を出品してしまった顛末は、奥田さんにしては優しいもので、少しほっとしました。

 

 

『ここが青山』
ある日突然会社が倒産し、専業主婦だった妻に変わり、専業主夫に。 反対に妻はフルタイムで仕事を再開。
「あおやま」 ではなくて、「せいざん」 です。 「人間いたるところ青山あり」
「世の中、どこにでも骨を埋める場所がある」 の意。 私は、「適材適所」 の話としか感じませんでしたが…
仕事をしながら家事をしている私 (内容はお粗末ですが) には、現実感のないお話でしたね。

 

 

『家においでよ』
別居生活をはじめた夫婦。 夫は、妻が出て行った部屋を自分好みのインテリアに変えていく。
それは、「男の隠れ家」 のようであり、同僚たちも学生気分で集まってくる。
部屋のことばかりに熱中して、全然妻には連絡をとりません。
ある日妻は、夫の留守に部屋に訪れて、見間違うような部屋の様子を見て、
「…女を連れ込んでいる痕跡があるよりショックだった。 わたしと暮らした八年間を全否定された気がした。」
このセリフ、いいですね~ 奥田さんって本当に男性?

 

 

『グレープフルーツ・モンスター』
「39歳の内職している欲求不満の主婦の話」 という後味しか残りませんでした。
中年のおばさんの代表として言わせてもらえば、いい気分になれない作品。
思いっきり笑い飛ばしてしまえばいいのでしょうが、そうできないのは、確信をついてきているからでしょうか?
自分では気付かない、何かがあるのでしょうか?

 

 

『夫とカーテン』   
一番気に入った作品です。 なぜ、気に入ったのか? きっと私の世界とはかけ離れ過ぎているから…
私なら、職を転々とする夫には、付いていけません。 
でも、この作品の夫は、なぜか憎めないかわいらしさを持ちつつ、きちんと考えているところもある。
許してしまう妻の気持ち、ちょっとだけわかる気がします。 … 「賭け」 に勝つのは、こんな人達なんだろうな。

 

 

『妻と玄米御飯』   
ユーモア小説の作家の夫と、ロハスに目覚めた妻。
この作家さんのユーモアセンスは、私にjust!! わかるわかる~ (≧∇≦)
最後に、核心には触れずに、お互いを思いやるところが、素敵でしたね。
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次に読んだのは、乙一さんの 「暗黒童話」 です。 黒に戻ってしまいました…