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図書館にある乙一さんの本も、残りわずかとなってしまいました。
単行本の時は、どうやら1冊だったようですが、文庫化にあたって、2冊に分けたようです。
そして、1には映像化された5編がセレクトされてあります。 
映像化されたとは、知りませんでした。 想像するだけで、恐ろしいです (≧д≦)

 

またまた、グロい作品を選んでしまいました。。。

 

 

1・『カザリとヨーコ』
乙一さんの作品には、親からのDVを受けているという設定の子供がよく書かれているような気がします。
それも、親の身勝手から、半端なく。 すごく辛いです。
この作品では、双子の一人が母親からのDVを受けています。 そして、もうこれが最後という時に起きた事件で
二人は入れ替わり、そして何も知らない母親は、可愛がっていた方の子に手をかけてしまう。
DVを受けていた子が、見ず知らずの老女の優しさに触れられたこと、それだけがこの作品の救いです。

 

 

1・『SEVEN ROOMS』
かなり、怖かった。 やっぱり、乙一さんらしいラスト=犯人が捕まり、事件が解決するでは、ないです。
犯人の目的も、捕らえたれた人たちのことも、そして逃げた後のことも、何もかもが読者の想像に任されていて、
想像力豊か(自分で言っている!)な私には、かなりの恐怖でした。
これが、映像化されたなんて! 恐ろしくて観ることなんて出来ません!

 

 

1・『SO-far そ・ふぁー』
すごく難しい設定でした。 これも、親と子の関係の作品。 子供の苦悩に、心が痛みました。
親が子供に精神的苦痛を与えるなんて。 傷ついた子供は、父親の姿が見えなくなってしまった。
それは、両親を別れさせないために、子供が選んだこと。 切ないですね…

 

 

1・『陽だまりの死』
SFチック。 
私は、SFモノは苦手だけど、これは切なくて、これの映像化されたモノなら観てみたいと思いました。
死後の自分を埋葬してもらうために作ったロボットとの生活。 
「ロボット」 という言葉を使うことに違和感をもつほどに、人間以上の穏やかな感情の流れを感じました。

 

 

1・『ZOO』   
自分が殺した恋人の朽ちていく様を写真に収め、あたかも他人から送られてきているように、演技し続ける主人公。
毎日、同じように行われる行動と、予期せぬ動物園の閉鎖。
猟奇的。 かなりグロい。 でも、グロイだけ。

 

 

2・『血液を探せ!』   
遺産相続の結末は… ちょっぴり、ユーモラス。 でも、確かにグロい。 

 

 

2・『冷たい森の白い家』  
またまた、子供が虐げられる内容です… なぜ? 
顔に穴が空くほどに痛めつけられた主人公。 森に作った家の材料は… 想像して、気分が悪くなりました。
切なさもなく、やりきれなさだけが残る作品で、残念です。

 

 

2・『Closet』   
夫が登場しなかったので、そうじゃないかな? と先が読めてしまいました。

 

 

2・『神の言葉』  
不思議な声の力を持った男の子。 自分の見栄のために、家族までも不幸にしていく。
他人と自分を比較して、自分を卑下すること、私にもあります。 でも、比較する人がいなければなんて考えない。

 

 

2・『落ちる飛行機の中で』  
ハイジャックされた機内で、安楽死する薬を買うかどうか迷う女性。
設定が面白い。 これも、ちょっぴりユーモラス。 
精神的に追い詰められたハイジャック犯の動機は、現実にもありそうで、違った怖さを感じました。

 

 

2・『むかし夕日の公園で』  
超短編。 砂場の恐怖。 子供たちが大きくなってから読んでよかった~

 

 

今、こうやって感想を書くにあたって、それぞれの内容をしっかり覚えている自分に驚きました。
他の短編集を読んだ時は、本を改めてひっくり返しては 「あ~そうだったなぁ~」 なんて思いだしてるのです。

 

 

「1」 には、乙一さんと漫画家・古谷兎丸さんとの対談が収録されています。
乙一さんの素顔を知らない私は、勝手にオタクっぽい人を想像していたのですが、とっても普通に話しているので
驚きました。 どんな人なんだろう?

 

 

これだけの黒短編を続けて読むのは、とても疲れました。 間にほんわかした本を挟めばよかった。
ちょっと、ここしばらくはグロい本は、お休みしたいと思います。

 

 

そして、この長~い記事をここまで読んでくださった方… ありがとうございました(^-^*)

 

 

次に読んでいるのは、図書館の順番待ちをしてやっと借りた、森見登美彦さんの 「恋文の技術」 です❤ 
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