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矢口さんの作品は、「償い」 に続いて2作品目です。 
今回も前回同様、切ないミステリでした。

 

物語は、ある一家の殺人事件から始まります。 この事件の犯人捜しなのかな?と思いましたが、
それと並行して、さまざまな “心” の模様が描かれています。

 

 

若いころに自分の卵子を売った女性と、その卵子を購入し母となった女性。 
当時と今では、生活環境が反転してしまっています。 このふたりが、犯人である少年の母親達。

 

 

遺伝子の母の設定は、これでもかって言うくらい作り上げた 「こんな人は実際にはいないでしょ」 っていう
キャラクターでした。 昔々の大映ドラマに (わかる人はわかるよね) 出てきそう。 
懐かしすぎるけど、松尾嘉代さんって2時間ドラマの女王っていましたよね。 そんな感じ。 
(今の女王は、片平なぎささんですね)

 

 

遺伝子の母が犯人を狂気的に探し、すごい勢いで突き進んでいきます。 答えは出ているのに、全く認めない。

 

 

最後の最後に、殺人の動機の種明かしがあります。 人工的に作られた自分を悲しむ少年。 「VS」 の意味。

 

 

矢口さん、他にもまだまだ読んでみたいですね。

 

 

そして、そして、お次は…  なんと、10人の作家さんの作品が収録されている、「青に捧げる悪意」 です。

 

 

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