【昭和40年代を中心とした東京の姿

現在の姿と比べてみるのも

当時の面影を捜し求めるのもよし】

オンライン書店ビーケーワンに書評投稿した記録です。

投稿:2003/10/15 07:55

 

うわっ、こんなんだったんだ…。はぁ?と感嘆しつつ、ひとつひとつの写真を眺めました。昭和40年代を中心に23区別のモノクロ写真。撮影年月と番地のキャプション付です。

いちばん多いのが昭和43年、続いて42年、44年。わたしが生まれて間もない頃の東京の姿。1歳半までは板橋区の大叔父の家に住んでいたこともあり、感慨が深まります。大叔父は、大叔母は、そして父、母はこんな風景の中で暮らしていたのか。
東京は学生時代から10年以上通っていたところなので、行ったことのある場所も多く、かつての姿を本当に興味深く楽しく見ることができました。
 
街、通り、道、駅、家、電車、都電、車、バス、自転車。人がいて、生活がある。変化しながら今に続いている。ごく当たり前のことで、とりたてて言うまでもないことなのかもしれませんが、かつての姿を見ると、こうして時間が流れ日々が積み重なり歴史になっていくんだなぁとしみじみするものがあります。
 
車やバス、電車のデザイン、人々のファッション、見れば見るほどおもしろい発見があります。
例を挙げると、街を歩く主婦らしき人はほとんどが「買い物カゴ」を下げている、意外に産婦人科の看板が多いなど。見る人によって様々な発見があることでしょう。
 

さらに染物屋、炭屋、牛乳配達、豆腐売り、納豆売り、この佇まい、姿はどうでしょう。今となってはもう見ることは出来ません。あらためて写真が貴重な資料、記録であることがわかります。
 
昭和40年代以降、平成9年までの写真もあります。消えてしまった街角、それでも面影は残っているんですね。
建物に関しては、古びたかつての面影を残すものを見かけると魅力を感じ、思わず立ち止まって眺めてしまうのですが、今度都内に出たら、写真を撮ってみようかと思います。自分の目で見たものを記録しておくのもいいかもしれません。

昭和40年代の高度成長期、当時の東京をよく知る人と分かち合いたい一冊。今度この本を手土産に、大叔父のうちを訪ねてみようかな。年長の人から聞く昔話がとても好きなのですが、聞きだすには絶好の機会かもしれません。

東京を撮影したものとしては、作家片岡義男の写真集もおすすめです。
『東京22章』『東京を記憶する』など。いずれも人は撮影されていませんが、「今の東京」が独特の感性で切り取られています。片岡流の視点で見てみるのもかなり楽しめることでしょう。

 


 

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