3月24日-228
爺さんに名乗り、何して食ってんだと訊かれ、何と言ってごまかそうかと思案し、爺(じじい)を観察する甚三郎。こっちが手綱を握っていいように使ってやらないと、と「取り立てをやってるのさ」と嘘をつく。爺は縮こまってしまう。亥之助という名の爺さんには板敷きの部屋を調べてもらう。甚三郎は台所。
3月25日-229
食い物はある。亥之助爺さんが左隣の部屋には油の瓶と蝋燭の木箱が積んであり、紺木綿の印半天があったという、左右の襟に小さい字で「黒武」の字、背中には□に十の字を重ねた印が、白抜きで入っている。いよいよ出ました
3月26日-230
切り抜き紛失(今月多し)
3月27日-231
迷子仲間、三人集合。女はお秋と名乗る。甚三郎が取り立て屋だと聞いて、上から下まで検分。なかなかスルドイようで。
3月28日-232
お秋は話の風向きを変えて、どうやってここに来たのか話を突き合わせてみようと提案。
3月29日-233
この屋敷には終わりがない。あやかしの類に化かされているのなら、竈を焚いたときに正気に返っているはずだ、というお秋。
3月30日-234
布団も揃い、歯のすり減った下駄もある。けれど、厠は清潔で使った様子がない。お秋の炊いた飯、蕪と葱の味噌汁と小芋の煮付けをがっつく甚三郎と亥之助爺さん。台所にはお酒がない。お秋は亥之助爺さんを哀れみつつも、容赦がない。
3月31日-235
身体は疲れ切っているのに、うとうとするだけですぐ目が覚めてしまう甚三郎。ようやく眠ったら、すぐ傍らに、天井まで届きそうな大柄な、甲冑姿の武者の影がぬうっと立っていた。
【産後の読書案内】 産後を見据えて産前に、これからの人生を見据えて産後に。読んでおきたい本をご案内します
【きょうのパン あしたのパン】 元保護犬・愛犬パンの日々