2023年02月07日放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'1000点以上の博物館グッズを収集した主婦'
大澤夏美(オオサワナツミ)さん(以下、大澤)

マツコ「どこで売ってるんだろう、その色」
大澤「これ『しまむら』です」
マツコ「『しまむら』?『しまむら』派手ね」
大澤「博物館は行ったり行かなかったりみたいな?」
マツコ「ごめんなさいね。だから別に全てがそうとは言わないんだけど、大概がっかりしない?日本の博物館って」
大澤「やっぱりなんかね、お金がないのが伝わってくる」
マツコ「もう言っちゃってるじゃないのよ。言ってるじゃん」
大澤「そういう意味で今日は、日本のミュージアムとか博物館を、グッズを通じて応援する気持ちも込めてお伝えできれば」
マツコ「なるほどね。上手よね」
大澤「やめてくださいよ、なんかそんな」
マツコ「ケンカ腰にくるんじゃなくて、まずあたしに同調するところを見せて。『確かに』みたいな。上手」
《職員のパッションあふれる超人気の激アツグッズ9選》
大澤「博物館グッズの最大の魅力ってものを、ちょっとお伝えしたいと思います。あふれ出した職員たちのパッションっていうものをぜひ知ってほしい。私の好きな博物館グッズは、職員が熱意をもって作っていらっしゃるところが実はとても多くって。ぜひそれをちょっとお見せしたいなと。お願いします。こちらちょっと数点ご用意してみました。何か気になるものございますか?マツコさん」
マツコ「どうしてもほしいものはないわね」
大澤「じゃあ一個一個」
マツコ「一個一個見ていきましょう」
大澤「『竹中大工道具館』っていう」
マツコ「竹中工務店がやっているの?」
大澤「そうです。神戸にございます」
マツコ「要は昔からの大工さん道具みたいなやつを。おもしろそう」
ナレーション「『竹中大工道具館』は、日本で唯一の大工道具専門博物館。大工道具や模型など、およそ1000点展示。建物にも伝統の職人技が散りばめられている」
大澤「良い大工道具って、職人さんに使われてしまうので、摩耗してなくなっちゃうので、残らないんですよね」
マツコ「あれ木を切りだすときに使うノコギリだ」
大澤「そうです。大きなノコで。そこにある工具のキーホルダーは、それをまさに再現したキーホルダーで、これも職人さんが一個一個手作りしてるんですよね。木製のキーホルダーで」
マツコ「えっ、キーホルダーを?」
大澤「そうなんですよ。だからすごく精巧」
マツコ「なんかごめん。最初にこれといってほしいものがなかったっていうくだりカットして」
大澤「よかった。うれしい」
マツコ「そういう話を聞いちゃうとね」
大澤「お隣もちょっといってみますか。お隣が『大塚国際美術館』。これ徳島県です」
マツコ「ああ、全部陶器の」
大澤「そうです。陶器のレプリカで、陶板で再現していて」
マツコ「良い意味で変態的な美術館よね」
大澤「本当にほめ言葉で変態です。そこにピンバッジが7つあると思うんですけども」
マツコ「全部ゴッホのヒマワリシリーズ」
大澤「そういうことです。ヒマワリは世界に7枚ありまして、世界各地のいろんな美術館だったりとか、あと個人で持ってらっしゃるのもあって。それを再現したのが、7枚レプリカそろったヒマワリの部屋というのがあるんですよね。そのうちの1枚は太平洋戦争で日本で焼失してるんですよね」
マツコ「日本で焼失してるの?」
大澤「芦屋で。空襲で」
マツコ「芦屋の大金持ちが持ってたんだ?」
大澤「そうですね。関係者が持っていて」
マツコ「へえ、じゃあもう今は1枚はないんだ?」
大澤「ないです。もう全部そろわないんだっていう自分の気持ちだったりとか、感動っていうものを持ち帰るのに、一つこういうのはどうですかということで。7枚のヒマワリのピンバッジというのが。お隣、牛柄といってもこの牛柄なんです」
マツコ「あ、これあれなんだ?サシの、牛肉の柄なんだ」
大澤「そうなんです。よくお気づきで」
マツコ「すごいわねこれ」
ナレーション「『奥州市牛の博物館』は、日本唯一の牛専門博物館。前沢牛の産地である奥州市前沢にあり、‘牛と人との共生’をテーマに展示をおこなっている」
大澤「中身もぜひ見ていただきたい」
マツコ「中もこれになってるの?」
大澤「開いてみてください。すごいでしょう。おいしそう。A5ランクです」
マツコ「確かにこれがあったら選ぶと思う」大澤「そうね、確かに。大会で優勝した奥州市産のすごい良い牛のサシをデザインした」
マツコ「ちょっと待って、そうなんだよね。これね、とりあえず買うよね、たぶん。これあったら」
大澤「うれしい」マツコ「とりあえず買って、あとから『なんで買ったんだろう、あたし』っていうね」
大澤「使いましょう。話題になりますよ」
マツコ「これを大切な人への一筆箋に使えないでしょ」
大澤「最後のも見てみましょうか。こちら『千葉市美術館』です。行かれたことあります?」
マツコ「新しくしてから行ってない。前中央区の区役所だったのよ。上の階だけしょぼい美術館がついてたんだけど、中央区の区役所を移転して、全館美術館に改装したのよね」
大澤「そうです。とてもおしゃれですよここ。ここのオリジナルグッズがですね、さや堂ホールのタイル。床の現存が残っている、このタイルですね」
マツコ「これをイメージしてるんだ?」
大澤「そうなんです」
マツコ「今あんなタイルないもんね」
大澤「ないですね。本当になくって」
マツコ「かわいい」
大澤「貴重で、博物館の建築も。ちゃんと博物館の財産なんだよとか、大事なものなんだよってことを、オリジナルのグッズで表現しているっていうところが、私すごく気に入ってるんです」
マツコ「こんなすごい博物館の中に『千葉市美術館』を混ぜていただいて。そういうところもね」
大澤「いやいや。なんですか」
マツコ「やっぱりね、気が利いてる。なかなかできないよ」
ナレーション「さらにここから、情熱がありまくる職員さんが考案した、売り切れ必至の超人気グッズをご紹介」
大澤「まず最初、どんなものでも縄文に結びつける元バンドマン館長、竹中富之館長。この竹中さんがいらっしゃるのが、青森県にある『小牧野遺跡』というところなんですけど、ご存じですかね?」
マツコ「『小牧野遺跡』?」
大澤「世界遺産に北海道と北東北の縄文遺跡が登録されたこともあって、この『小牧野遺跡』も世界遺産に登録されたんですよね。この『小牧野遺跡』の見どころというか、おもしろいのが、この環状列石と呼ばれるストーンサークルです。それを使った博物館グッズっていうものを、ご紹介していきたいなと。こういうものなんですけども。手前のカップとシリコンのフタの部分、ちょっと見ていただきたいんですけど。これわかりますかね、フタの部分がどうなっているかっていうところなんですけど。ストーンサークルになっているんです」
マツコ「でしょうね」
大澤「すごい苦労されて、竹中さんとスタッフのみなさん。ストーンサークルってグッズにすると、平面にプリントすると全然魅力伝わらないんですよ。そうなったときにどうするか。『そうだ、マグカップのフタだ』ってなったらしいんですよね。よく思い付いたなと思って。よくマグカップの側面を見ていただくと、地質だったり地層だったりとか、『小牧野遺跡』から実際に出土した土偶だったり土器だったりとか、そういうものが全部正確に描かれているんです。かぶせていただいて。かぶせるとこれで、はい、『小牧野遺跡』。竹中さんとかスタッフのみなさんが、何を見ても全部縄文と結びつけたくなる、縄文ってかっこいいんだぜって、ロックなんだぜって思ってほしいっていう気持ちがとても強くって。それでこういうものが」
マツコ「これはそんなにロック感が」
大澤「まあまあ」
マツコ「どっちかっていうと、あっちのほうがロック感あるわ」
大澤「じゃあ見てみましょう。ロックのほうも見てみましょう。こちらが遮光器土偶のニット帽と、サングラスでございます。こちら木製なんですけども、もしかけられたらぜひマツコさん。遮光器土偶」
マツコ「値段によるかな」
大澤「2400円」
マツコ「高いな」
大澤「これ館長さんがニルヴァーナのカート・コバーンを見たときに、これだと思ったらしいんですよね」
マツコ「思わないですね。これ手編みだよね?」
大澤「手編みです。遮光器土偶の頭結っている部分の髪の部分を、地元の作家さんが手作りで一個一個作ってらっしゃるので、抽選販売にしていて私も持っていない」
マツコ「うん、なんかあの、ほしくはなってくるわよね」大澤「うれしい」
マツコ「どうしよう。いざというときのために買っておこうかな。かわいいね」
大澤「そうなんです。ロックだし」
マツコ「おまえちょっと買っといてよ。基本的におまえがかぶっていいから」
大澤「次、こちらです。収蔵品や展示されている大事な資料を‘うちの子’、‘我が子’と呼ぶ学芸員さん」
ナレーション「お二人が勤める『もりおか歴史文化館』は、盛岡の祭りの歴史や城下町の成り立ち、盛岡藩の歴史を学ぶことができる。さらに、かつての盛岡藩主・南部家が所蔵していたカッパの絵巻物も収蔵されている」
大澤「こちら、『水虎之図』と呼ばれるカッパの資料が。この絵とかもとてもすてきなんですけど、こちらを使ったグッズっていうものもじつは小西さんと福島さんが考案したものがございますので、それちょっと見てみましょうか。こちらなんですけど。トートバッグ」マツコ「ややキモね。これあたしさ、着物の柄にしたらおしゃれ」
大澤「鋭い。実はすごく鋭くって、それってなぜかっていうと、右側のトートバッグって抱き着いているデザインなんですけど、表と裏で普通に印刷しちゃうと手が切れちゃうんですよ」
マツコ「ああ、ここがね」
大澤「そうなんです。それでは抱きつきがやっぱり表現できないということで、どうするってなって、地元の反物の作ってらっしゃるところに着物の生地で実際に生地から作ってもらったんですよ」
マツコ「だからこのままお着物にできるよね」大澤「そうなんですよ。普通はバッグって側面を縫うと思うんですけど、これは裏側の真ん中の部分を縫っているので、手が切れない」
マツコ「本当だ。これおしゃれだな」
大澤「おしゃれなんです」
マツコ「じゃああたしこちらに頼んでカッパ柄の着物作ろうかな」
大澤「いいかもしれない」
マツコ「すごいおしゃれ」
大澤「すごいすてきですよね。そうなんです」
マツコ「帯留めキュウリにしたらおしゃれ」
大澤「最高。最高ですねそれ。めちゃめちゃかわいい。奥のほうがカッパがたくさんいると思うんですけど、トートバッグのほうが。こちらなにかといいますか、もともとの絵にはカッパ1匹しかいないんですけど、この残っているお話が網に大漁のカッパがかかってしまって。14、15匹。しょうがないから漁師さんが殴り殺したっていう伝説があって。その場面を再現したトートバッグ」
マツコ「それで絶滅したんじゃないの?すごいすてき。ただトートバッグとしてほしいかというと、現物を前に悩むパターンよね」
《職員監修グッズの宝庫!大阪市立自然史博物館》
ナレーション「1000点以上の博物館グッズを収集する主婦、大澤さん。実は」
大澤「20歳のときに博物館学というものに出会いまして」
マツコ「へえ。なんでもあるのね、学問って」
大澤「まさに森羅万象ですよ。そのあと29歳のときに結婚したんですけれども、そのとき夫のほうに8歳の連れ子がもうすでに」
マツコ「あら。略奪婚?」
大澤「違う」
マツコ「違うの?じゃないのね」
大澤「いきなり母親になる。家族写真なんですけど」
マツコ「ちょっと。夏美まだギャル残っている」
大澤「どうやったら仲良くなれるかなっていうのを考えたときに、やっぱり私が大量の博物館グッズを持っていた。なにこれ?みたいな感じになって。いろんな全国の博物館で売っているんだよって紹介して、行ってみたい、みたいな話になってちょっと盛り上がって」
マツコ「いい子だったわね」大澤「そうなんです。助かりました。それで子どもと仲良くなって日本全国のミュージアムをいっしょに回ったり。楽しんでくれているのかなという」
ナレーション「ということで、娘さんとグッズを買いにいく様子に密着。やってきたのは大澤さんが何度も通っている『大阪市立自然史博物館』」大澤「何回も来たことあるんですけど、娘は初めてです」
番組スタッフ「娘さんよろしくお願いします」
陽菜さん「よろしくお願いします」
マツコ「最近の子だね」
ナレーション「大阪の自然や生物の進化、地球の生命の歴史などを学ぶことができる。大澤さんが何度も訪れるのには理由が」
大澤「ミュージアムショップはこちらです。マグカップはほしいと思ってたんですよ、ずっと。これは大阪平野の地質の断面図のマグカップです。学芸員さんの石井さんが、解説されたものです。マニアック。最高。もちろん買います」ナレーション「そう、グッズの多くが職員さんが監修」
大澤「川端館長は岩石だったり、昆虫は今松本さんがいらっしゃったりとか。生産者さんの顔がわかる。信頼できる」
ナレーション「監修したグッズには職員さんの解説書付き。運がよければ直接グッズに込めた思いを聞くことができる。さらにこちらは鹿をこよなく愛す米澤さん」
米澤さん「鹿愛と骨愛があふれて作りました。部位の英名が書かれています。ただのグッズじゃなくて、これを持って学びがもっと深まったりしたほうがいいかなと思ったのでね。図鑑の1ページのようなものを作りたいと思って作りました」
ナレーション「その後も大澤さんの手は止まらず」
大澤「買います。はるちゃんなにかほしいものあったら言って」
陽菜さん「…」
大澤「しゃべらなくなっちゃった。ごめんなさい」
番組スタッフ「なんで娘さんがかごを持っているんですか?」
大澤「なんでですかね。集中したいから」
陽菜さん「ひどい」
大澤「ひどいね、ごめん。でも荷物持ってくれるよね、いつも」
ナレーション「計15点を購入」
大澤「がんばったね、うちら」
陽菜さん「がんばった」
大澤「楽しかった?」
陽菜さん「うん」
大澤「よかった。なによりです」
マツコ「さっきのVTRを見ただけだけど、楽しそうには見えなかった」
大澤「しょうがない。しょうがないです。許してください。実は今日スタジオに娘が」
陽菜さん「はじめまして」
マツコ「あ、安心した。常にああいう子なのね。娘なりの愛なのよ」
大澤「そうね」
マツコ「たとえあまり興味がなかったとしても、最後まで付き合うっていうね。あれが娘の愛情ですよ」
大澤「確かにね」
マツコ「博物館とか美術館行くことは楽しい?」
陽菜さん「まあ、そうですね」
大澤「最後にもう一つだけお伝えしたいことがございます。それはこちらです。私、大澤の願い。博物館を着て歩いてほしい」
マツコ「それはTシャツとかってこと?」
大澤「まさに」
マツコ「最近いろんなキャラクターのTシャツ着るの流行ってるじゃない?それはさ、物によってはおしゃれに着れるわよね」
ナレーション「博物館の中でも人気はTシャツやアクセサリーなどの、身につけるアイテム。ユニークで個性的なものが多いのが特徴だが、中でも大澤さんイチオシのグッズが」
大澤「ご期待ください。こちらでございます。『目黒寄生虫館』のサナダムシTシャツでございます。ほら、ちょっとグラフィティに見える。グラフィティアートに見える」
マツコ「あとね、ちょっとイラっとするのが、若干立体的に作ってある」大澤「すばらしい。この技術がですね、本当に実際にサナダムシを触ったような感じがわかる技術を施しているんですよ」
マツコ「これ本当にけっこうガチサナダムシなの?」
大澤「ガチサナダらしいです」
マツコ「サナダムシ、意外と硬いわね。こんなにけっこうしっかりしてるのね、サナダムシって」
大澤「そうなんですよ。展示見たあとだと」
マツコ「これ切れてる、ここで一回」
大澤「そういうのとかね、じっくり観察できるんですよね」
マツコ「切れちゃったんだね、たぶんここね。ビューって。これは実際に出てきたやつを再現したのかな?」
大澤「実際の標本がいっぱいありますので。実は『目黒寄生虫館』に以前有名人、このビル・ゲイツさんが過去に来たことがありまして」
マツコ「寄生虫好きなの?」
大澤「そうなんですよ。けっこう来てくださって。それでそのときにもすごく興味を持って見てくださっていて」
マツコ「『パラサイトロジカル』って言うんだって」
大澤「ラテン語」
マツコ「寄生虫」
大澤「めっちゃ好きになってくれてる」
マツコ「勉強になったわ」
大澤「うれしい。ぜひ買ってください」
マツコ「硬い」
大澤「やっぱりこういうものって、いらないって言われることも全くないわけじゃないんですけど」
マツコ「でもね、いらないものを全部排除してしまったら、心がすさむよ。要は無駄と言ってしまえば無駄なものなわけじゃない?それをどれだけちゃんと利益の出るものに結び付けられるかっていうさ。本当に学芸員さんの人たちの努力とかになっちゃうけど、ちょっとずつ変わってきたと」
大澤「そうですね。私みたいな外から応援したり支える人間も、もっと増やしていきたいですね」
マツコ「そうね。優しく見えて意外とプレッシャーをかけるタイプなんだ」
~完~