2023/01/03放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/


'地球を22周したクルーズライター'
上田寿美子(ウエダスミコ)さん(以下、上田)



マツコ「久しぶりね。今日私重大なミスを犯してしまったのよ。口紅の色を赤くしてしまったの。寿美子とカブるのよ。ピンクだったらいいんだけど。寿美子ピンクって手もあるからね」
上田「マツコさん」
マツコ「あ、微妙な色。微妙、寿美子」
上田「ピンクでございます」
マツコ「ピンクだった。よかった。今日ピンクだった」
上田「ご無沙汰しておりまして。またよろしくお願いいたします」
マツコ「座ってよ。ねえ、もう、ちょっと心配してたの」
上田「ああもう本当にありがとうございます。もう大変な時期でございました」
マツコ「本当にあの直後だもんね」
上田「本当です。コロナ禍がございまして、クルーズ業界は大変厳しいことになりました。そのほんの一例をご紹介しますと、外国の方がクルーズ船に乗って日本にやってくる、という数の推移なんですけれども。毎年200万人以上の外国の方がクルーズ船に乗って日本にやってきてたんですけれども。なんとですね、もう2021年はゼロになってしまったんです」
マツコ「せっかくあのお台場の先とか作ったのにね(東京国際クルーズターミナル)。結局だからそこにもう船が着いてなかったんだ?」
上田「そうなんです。しかしですね、マツコさんおかげさまでやっとクルーズ業界にも明るい兆しが見えてきました。そこで今回のテーマはこちらでございます。海外では完全復活の兆し。豪華客船の現在と未来についてお話をさせてください」
マツコ「でもあたしね、本当にちょこちょこいろいろどうなっているのか、気にかけていろいろ検索したりとかしてたんだけど、最近クルーズ系の動画とかよく上がるようになってきてるのよ。だから動き始めましたよね」
上田「はい、そうなんです。例えばですね、2022年の8月には、『ノルウェージャン・プリマ』という船がデビューしまして。こちらが『ノルウェージャン・プリマ』です。もう本当に美しい船なんです」
マツコ「これはあたしちょっと見たのよ。すごいよね」
上田「船の上に3階建てのゴーカートレース場なんかもある船なんです。そしてなんとですね、この船に名前を授けるゴッドマザーを務めたのが、ポップスターのケイティ・ペリーさんだった。命名式のあと、あのようにコンサートもなさいました」
マツコ「すごい」
上田「この命名式クルーズには、夫で俳優のオーランド・ブルームさんも乗ってらして、とっても華やかなクルーズだったんですよ」
マツコ「寿美子が興奮気味」
上田「はい、もう興奮しました」

ナレーション「そして最近、クルーズ業界で最もアツいのが、探検船で行く南極クルーズ」
上田「今までは合宿のような船に乗って、屈強な人だけがいける場所みたいなイメージだった南極が、いまや私のような一般人でも行ける時代になってきているんです」
マツコ「すごい。それこそちょっと行きたいわ」
上田「そしてですね、今そういった南極クルーズの中でもですね、大変注目を浴びている船があるんです。それがこちらです。氷をバリバリ割り、客船未踏の地へ。フランスのポナン社の客船『ル・コマンダン・シャルコー』」
マツコ「いわゆるあの氷割る機能がついている船?」
上田「そうなんです。今までのほとんどの南極クルーズ船っていうのは、耐氷船という、氷に対する強度のクラスだったんですけれども。この船は‘氷を砕く船’と書いて、砕氷船なんです。その強度はですね、氷に対する強さを表すクラス分けがあるんですけれども、このクラス分けでは、日本の南極観測船『しらせ』と同じクラスなんです。それくらいのレベル、機能を持ち合わせている船なんです」
マツコ「だからもうずっと一面氷で、そこに突進していけるってこと?」
上田「そう。この船はですね、6メートルの氷までは割れるんです」
マツコ「6メートル?」
上田「実はですね、偶然にも私がここのクルーズに行くために羽田から飛行機に乗ってニューヨークに向かう時に、羽田から出てすぐ窓の外を見たらちょうど南極観測船『しらせ』が東京港から出航していくところが見え、あのオレンジの船体が見えたんです。だからその時内心思いました。私たちのほうが先に南極に着くなと思いました」
マツコ「負けず嫌いね。南極観測隊とも戦うのね。でもすごいこれ。だから映像に撮ってきたってことでしょ?」
上田「そうなんです。実は行ってまいりました。砕氷船のすごさも見てください」
マツコ「どおりでセットがしょぼいと思った。お金かけちゃったのね、こっちにね」


上田「今私はアルゼンチンの最南端のウシュアイアにいるんです。なぜならばこれからなんと南極クルーズに出発するからなんです。ここウシュアイアは南極クルーズの玄関口と言われているんです。そしてこれから乗る客船はこちらです。世界でたったひとつの客船『ル・コマンダン・シャルコー』です」
ナレーション「全長150メートル、乗客店員は270名。その最大の特徴が砕氷船であるということ。早速船の中へ」
上田「いよいよ船内に入ってきました。ここは『ル・コマンダン・シャルコー』のロビーエリアです」
ナレーション「ラウンジやレストランなどのパブリックエリアは、フランス船らしい上品で落ち着いた雰囲気」
マツコ「これで南極行けるんだ。すごいね」
上田「すごいです、本当に」
ナレーション「ちなみにエレベーターは」
上田「ガラス張りのエレベーターで、LEDのデジタルアートがずっとこのように見えるんです」
ナレーション「こちらは客室フロア。気になるお部屋は」
上田「では入ってみましょう。いかがでしょうか。とってもフランス色豊かなんですね。例えばこの客室をとっても、色を抑えて木目を使って、とてもシックなできばえです」
ナレーション「そして全てのお部屋がバルコニー付き」
上田「南極などでは突然動物や氷が現れるんです。そしてそういったときにもすぐに自分の部屋のベランダに出て写真を撮ったりすることができるんです」
ナレーション「気になるクルーズ料金は?今回の14泊15日のツアーでおよそ24000ユーロ。日本円でおよそ350万円ほど。ちなみにこちらが150平米のオーナーズスイート。料金はおよそ82000ユーロ。日本円でおよそ1193万円」
上田「プライベートのジャグジーも付いて。南極クルーズで最も重要なものと言っても過言ではないのが、このパルカではないでしょうか」
番組スタッフ「持ってこなくても?」
上田「そうなんです。これは全員に支給されて、持ち帰られてよろしいわけなんですよ」
番組スタッフ「もらえるんですか」
上田「もらえるんです。本当に船からのプレゼントですね」
ナレーション「夜8時、いよいよ出航。ここから南米大陸と南極半島の間にあるドレーク海峡を2日かけて航行します。翌日船内では、上陸に向けさまざまな準備が」
上田「これから南極に関する勉強会が始まる。これは全部のお客様が必ずこの勉強会に出席する。そしてそれを条件に、あさってからの南極の上陸が可能になるというシステムになっているんです。例えばペンギンには5メートル以内に近寄ってはいけないとか。アザラシは15メートル以内に近寄ってはいけないとか」
ナレーション「さらに、上陸の際、種子などを持ち込まないよう、外側にはくズボンは掃除機をかけるのがお約束。クルーズ3日目。この日も終日航海日の予定でしたが、船長からこんなアナウンスが」
船長「本日の午後上陸できそうです。予定時刻は午後3時」
上田「とても順調な航海だったので、予定より早くシェトランド諸国に着くんだそうです。そしてもう今日から早速上陸できそうですよ。いよいよこれから上陸します。まさに南極への第一歩を印すわけなんです。そこで上陸用のかっこうをしてきました」
ナレーション「そして、島へと渡る手段がこちら。各国の軍隊などでも使われているゾディアックボート」
上田「南極の海に乗り出しました」
ナレーション「日本出発から丸4日。いよいよ初上陸」
上田「あ!いるいる。よちよち歩いてる」

〜続〜