2022/12/20放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'2000冊以上の絵本を集める主婦'
内田早苗(ウチダサナエ)さん(以下、内田)

マツコ「そうよ、だからもうねやっぱり今日も声枯らしてきてくれないと。今日声透き通ってたら、ちょっともう、現場的にもお茶の間的にもがっかりよね」
内田「マツコさん、こんにちは。すみません、きれいな声で」
マツコ「いやいや。治ってもそんなにきれいじゃない。…やめなさいよ」
内田「今日私がここに来た理由は、12月は絵本の旬。絵本作家が最も気合いを入れるのがクリスマス。クリスマスの時期っていうのは、絵本の売り上げが本当に一年間のうちでピークなので、書店員さんも作家さんも」
マツコ「しかもけっこうみんな駆け込みで買ってる。インテリアで、ツリーの横に置くとか、そういうので買われている方もいらっしゃるかもね」
内田「改めてご紹介させてもらいます。2000冊以上の絵本を集める主婦、内田早苗です。48歳です。3年前に番組出させてもらってからの最大の変化は、息子が前回お邪魔したとき中学1年生だったんです」
マツコ「そうね。もうね、でもあたしはもうわかっていましたよ。こんなことするのは最後だろうなっていうね。そろそろもうね」
内田「もう本当におっしゃるとおりで、今高校2年生になって」
マツコ「急に。あらららら。決別宣言。あらやだ」
内田「さみしくて。なんか私打ち込めることがないかなと思って、やっぱり絵本だなと思って、本屋さんを始めちゃいました」
マツコ「いやいや、すごい、正しいと思う。やっぱりもう子育てと同じくらい、ゼロから育てていかないといけないことをもう一回やるっていうのはね、お母さんも子離れをするタイミングとしては、すごい良いタイミングで始められたと思う」
内田「ありがとうございます」
マツコ「でもそう言いながら、とても斬新な本屋さんね」
内田「ありがとうございます」
《想像力を育てるサンタ絵本2選》
内田「みなさんに伝えたいことが。サンタさんは子どもの想像力を育てる最高の存在です」
マツコ「子どものうちはね、やっぱり」
内田「そう、サンタさんはみんな見たことないです。見たことありますか?」
マツコ「いやいや」
内田「私もないんですよ、まだ。子ども時代って、やっぱり想像するすごく大事な時期だって思うので、サンタさんっていうのは想像することの最高の存在」
マツコ「サンタさん、全世界の人にプレゼント配るの不可能じゃないですか?」
内田「そうやって子どもも『一人でやってるの?』とか、『どんなスピードで回ってるの?』とか」
マツコ「でも一人とは言っていない。もしかしたらだからヤマト運輸とかに代わりに頼んでいる可能性もあるしね。サンタさんも『俺一人じゃだめだ』って」
内田「そうですね。考え方のひとつですよね、本当に」
マツコ「それはこの時代あり得るわよ。おもしろい。サンタさんがどう過ごしているか想像するの」
内田「子どもの想像力をくすぐるっていう面で、私が今注目している絵本が‘ちょいずらしサンタ’っていう。今まで思っていたサンタさんとちょっとイメージが違うなっていうサンタさんが扱われている絵本に注目しています。私がオススメしたい絵本、サンタクロースの常識にとらわれない『100にんのサンタクロース』。谷口智則」
ナレーション「こちらはサンタクロースがプレゼントを配るまでを描いた絵本。子どもの想像力をはぐくむ、常識にとらわれないポイントとは?」
内田「子どもがやっぱり、まず『サンタさんって1人で仕事をやってるの?』っていう疑問で、100人いるんだよっていうところから始まっているんですね。それも100人がいるっていう考えもあるんだみたいな感じで、すごくおもしろくて。赤い服着ている印象強くないですか?サンタさんって」
マツコ「印象が強いというか、赤い服ですよね?」
内田「と思っていたんですけど、この絵本ではめちゃくちゃカラフルなんですよね、サンタさんの服が。この絵本は私小さい子とかに読んであげてて、子どもがすごい好きなページがあるんですよね。どこか」
マツコ「子どもが好きなページ?」
内田「そう、子どもがね」
マツコ「これでしょ?ここがおもしろくない?あたしけっこうここが衝撃。どういう構造なんだろうっていう」
内田「子どもがけっこう好きなのが、ここがね。ここ好きな子多いんですよ。ここになるとすごいしゃべりだす子が多いんですよね、自分の気が付いたこと。サンタさんがいろんなことしてるんですね。パン焼いたりお茶入れたりお絵描きしたり」
マツコ「見てよ。こんなことしているサンタいるわよ。『5、7、5』これはやりすぎじゃないですか?」
内田「これ最後に、すごいサンタさんがずらっと並んでいるところあるんですけど、ここに実はパンで焼いてたサンタさんって、パン焼く仕事してる人なんだとか。お絵描きしている人が絵描きさんだったんだとか。漁師さんのサンタが出てきたりとか」
マツコ「本当だ。職業とかが書いてある。第一次産業から第三次産業まで。だからいわゆる今っぽい言い方でしたら、多様性。サンタを通してのね。あとサンタさんが靴下をぶら下げているわよ」
内田「サンタさんも誰かにもらおうとしているんですよね、プレゼントをきっと」
マツコ「これ想像よりもおそろしい本かもしれないわね」
内田「絵本、もうひとつ。サンタに人間味を感じる『さむがりやのサンタ』。レイモンド・ブリッグズ」
ナレーション「こちらは冬が苦手なさむがりやのサンタの生活を描いた絵本。子どもたちの想像力をはぐくむ、人間味を感じるポイントとは?」
内田「『さむがりやのサンタ』の特徴は、とにかく小言が多いんですよ」
マツコ「『やれやれまたクリスマスか!』って。1年に1回じゃないのよね」
内田「冒頭からそんな感じなんです」
マツコ「1年1回働くくらい我慢してやれよ」
内田「気になる毒舌ないですか?その中に」
マツコ「子どもたちが来てくれたサンタさんに、たぶんなんかちょっと、のどの渇きを癒やしてもらおうと用意しているものに、『ふん、なんだ、ジュースかい』。酒が良かったのかしらね」
内田「これ同じサンタさんさんが夏休みを楽しんでいる本なんです。夏はさむがりやなんですけど、夏は好きみたいです」
(「サンタのなつやすみ」)
マツコ「サンタさんはでもクリスマス以外は何をされているんですか?」
内田「ずっと遊んで暮らしているっていうんですか」
マツコ「そんなに高収入なんですね、あの1日で」
内田「そうですね」
マツコ「今のところサンタの要素がない」
内田「そうですね。おじいさんですね、バカンスを楽しむ」
マツコ「ただのじじいのバカンスなんですけど、これ」
《クリスマスに最適!大人も喜ぶプレゼント絵本》
内田「次に私がオススメしたい絵本ですけども。クリスマスにさみしさを感じる私やマツコさんにオススメ」
マツコ「えっと、ごめんなさい、私は感じていません」
内田「巻き添えにしてすみません」
マツコ「そっか、だからお子さんといっしょにやっていた時代が長かったから」
内田「さみしさをまぎらわせてくれる‘ねこ絵本’」
マツコ「まあまあ、だからさみしさとは関係なしに、ちょっとあたしもネコはすごい好きなので」
内田「今この‘ねこ絵本’がすごく人気あるなって思っていて。ネコを飼っている人は『うちのネコみたい』って言って好きだし、ネコを飼うことができない人もほしくなるっていうふうにいわれている‘ねこ絵本’があります」
マツコ「いきなりエグいやつきましたね」
内田「『ネコヅメのよる』っていう作品です。ちょっとご覧ください」
マツコ「表紙がもうまずインパクト強いですね」
内田「町田尚子さんご自身が飼っていたネコがモデルなんですね。なので本当にネコ愛が強い方が描いているので。そのネコ愛の深さが出てるのかなと思うんですけど。夜ネコがどうしているのかって。夜の場面がずっと続く絵本なんですけど。ネコのもふもふした感じとか表情とか動きが」
マツコ「なにこれ。絵がクセになってくるわね。やっぱり黒ネコがかわいいね。あとハチワレもかわいいね」
内田「ネコはかわいいです」
マツコ「飼ったことあるの?」
内田「ネコは飼ってなくて、ヤギを飼っています」
マツコ「ごめんなさい、けっこうです」
(「ねこはるすばん」)
マツコ「これも町田さん」
内田「そうなんですよ。これはお昼。昼間留守番しているお昼のネコのお話なんですよね。これはちょっと擬人化されてて、ネコが人みたいにいろんなことを昼間するってお話なんですけど」
マツコ「置き換えて、家で勝手にネコがいろいろしていることに置き換えられるわよね、これね」
内田「そうなんです。最後がお出迎えしている感じがすごくやっぱりかわいく」
マツコ「帳尻合わせるのはネコも人間もいっしょですよ」
内田「どいかやさんという作家さんの絵本なんですけど、生き物をとても大事に思ってらっしゃる作家さんで、さっきのはネコがアップで大きく描かれている本だったんですけど、これは自然の中にネコがいるっていうお話で。ハーニャっていうネコが描かれているんです。ハーニャを探すんですよ、すごく」
マツコ「ネコ飼おうかな」
内田「ネコかわいいです」
マツコ「どうしよう、もうネコ。こんな仕事放り投げて、こういう所に住みたい。この間、具体的な計画なんてないのに、グーグルマップで那須の土地を探しちゃったわよ」
内田「でもわかります」
マツコ「わかります?」
内田「私もリゾート地の物件の値段とか見ちゃいます」
マツコ「やだ。じゃああたしは早苗ぐらい重症だってことよね。さみしさをまぎらわせてるのかしら?」
ナレーション「他にも、外に出たことのない黒ネコのヨルが、ネズミの案内で初めて夜の街を冒険する『ヨルとよる』や、日本各地に伝わる化け猫の伝承を子どももドキドキハラハラ楽しめる『ばけねこ』などが内田さんのオススメ。さらにもう一つマツコにぜひ見てもらいたいプレゼント絵本があるという」
内田「コロナを機に近所を散歩とかガーデニングをするとか、そういうことに暮らしの楽しみを見いだす人が多い。この自然がテーマの絵本って、本当によく売れているんですけど。その中でも人気の本なんですけど、その本刺繍で描かれている絵本なんです」
(「ざっそうの名前」)
マツコ「刺繍をプリントして?」
内田「そうなんですよ」
マツコ「びっくりした。これ刺繍なのかなと。すごい。糸感がよくわかる」
内田「すごい繊細な刺繍で、本当の草花の、本物みたいに刺繍がされている」
マツコ「長尾さんって方が一人でやってるの?」
内田「そうなんですよ」
マツコ「すごいね」
内田「長尾さんの『サンタさん』っていう刺繍の本もあって、これも同じ作家さんの。本当もうこの刺繍を本で眺めているのが、本当にすてきで好きなんですよね」
マツコ「この刺繍はどうされているんだろう?ほしい方いるでしょ?」
内田「そうなんですよ」
マツコ「これすごいほしいもん」
内田「見たいっていう人が」
マツコ「これ家に飾りたい」
内田「私もほしいです」
マツコ「え、なんで?違うのにしてくださいよ」
内田「原画展とかで展示されることがやっぱりあって」
マツコ「原画展とかで販売はされているのかな?」
内田「販売したっていうのは聞いたことないですけど」
マツコ「かわいい」
内田「私ももう本当大好きです」
マツコ「ちょっと一応長尾さんにアピールしておこう。まずこれです、長尾さん。すみません、これです。まああと欲張りすぎてもね。あとこれです」
内田「私もう一つクリスマスの絵本でプレゼントっていうので、オススメしたいというか。読むことをプレゼントするのがすてきなんじゃないかというふうに」
マツコ「自分で録音してってこと?」
内田「誰かに読んでもらう」
マツコ「それはちょっと、あのへんの人たちに読まれたら」
内田「いやいや、でもうれしいかもしれないですよ」
マツコ「うれしい?人によりますって」
内田「やっぱり読んでほしい人に読んでもらうっていうのがいいかな」
マツコ「それはもう。だったらこの中にはいません」
内田「私クリスマスに読んでほしいなと思う絵本をちょっと考えたときに、これいいなと思った絵本があって。『しろとくろ』っていうきくちちきさんの絵本なんですけど。これネコとイヌが出てくる絵本で、すごく言葉が少なくて聞く人によって、あと読む人によってなんですけど。しろとくろがお友達同士に見える人もいれば、恋人同士に見える人もいたり。読む人によって捉え方が全然違うんです。これ誰か声がすてきな人に読んでもらいたいなと思って。パーッと考えて、私この方だってお願いした方が一人いらっしゃるんですけど」
マツコ「聞きたくて?」
内田「うん」
マツコ「あらまあ」
ナレーション「読み手の心情によって捉え方が変化する『しろとくろ』。視聴者のみなさんも2匹の関係性を意識しながらお聞きください」
「しろとくろ」朗読
森本レオさん「マツコさん、内田さん、呼んでいただいてありがとう。ただ、緊張しいなので、全然眠れなくて。朝風呂行ってきたら余計おかしくなっちゃって。すみませんでした。でもなんか、なんでもない絵本だと思ったけど、読むにしたがってどんどん深いところに連れていかれるようなね、不思議な感じで今も縛られています。ケルト神話、ゲルマン神話、インド神話、なんかそういうものの深いところをたどっているような、そんな感じがして。とてもうれしかったです」
マツコ「いやいやいや、これは貴重な」
内田「本当ありがとうございます」
マツコ「でもこれはだから、イヌとネコを題材にはしてるけど、人間の話よね。やっぱりああやって森本さんが読んでくださったのとか聞くと、絵本って読み聞かせするものなんだよね、やっぱり」
内田「そうなんです。絵本ってやっぱり誰かが誰かに読んであげることで、作品が言葉になって相手に届くっていう。最大の魅力がそこなんです。今日はクリスマスの絵本の世界、ありがとうございました」
マツコ「ありがとうございました。長尾さん、念のためにもう一度」
~完~