2022/12/13放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'1000種類以上のジャムを食べたジャムおばさん'
飯田順子(イイダジュンコ)さん(以下、飯田)
飯田「こんにちは」
マツコ「わあ、ジャムっぽい」
飯田「そうですか?」
マツコ「ジャムっぽいよ」
飯田「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
マツコ「お座りください」
飯田「実は今日、ジャムのワンピースを着てまいりました。よろしくお願いします」
マツコ「イチゴのイヤリング」
飯田「はい、イチゴでまいりました」
マツコ「あたしは今日マーマレード」
飯田「あ、うれしい。ジャムに寄せてきてくださって。ありがとうございます」
マツコ「一番嫌いなジャムなんですけど」
飯田「ええ?いや、マツコさん、その概念を今日は私覆させていただきたいと思って」
マツコ「やだ、順子にやられちゃうの?あたしね、マーマレードがなんで実だけで作ってくれないんだっていうね。なんだろう、あの皮に頼るクセがついてるの、あれね」
飯田「実は私もですね、やっぱりマーマレードってそんなにおいしくないなって、実は思ってたんですけど。今や私ナンバーワンに好きなジャムなんです。ですのでそちらを今日はぜひお伝え」
マツコ「外しちゃおう」
飯田「いやいや。またぜひ付けてください。この後に付けていただけるかどうかは、ご紹介次第かと思いますが」
マツコ「そうですか。意外とへこたれないのでもう付けちゃいます」
飯田「今日まいりましたのは、こちらです。私ジャムおばさんが伝えたいこと。日本人の職人気質により、今や国産ジャムは世界に誇れるものに。たとえば、日本の果物ひとつとっても、世界に誇れるくらいのクオリティの高さで」
マツコ「確かに、フルーツは本当に」
飯田「良い生産者さんが増えたっていう、素材が良いっていうことがひとつ」
マツコ「果糖率が高いじゃないですか。だから前ほどお砂糖とかを使わなくてもよくなってきてるんですよね。けっこう最初に苦手だったのが、砂糖を食べているみたいだったじゃない、昔のジャムって」
飯田「昔は、ジャムは保存食という側面もありまして。フルーツ1キロに対してお砂糖1キロ。1対1で作っていて、長くもたせるものだったんですよ」
マツコ「うわっ、聞くと怖っ」
飯田「ところが最近は、ジャム職人さんたちの技術も上がってきて、コンクールに出しても日本人が高い評価を得ていて、ジャムのグレードが上がってきているんですね。しかしこちらですね。これまで一度もブームが来ていません。もっとジャムについてこだわってほしい」
マツコ「ブームが来ないってことは、もうド定番として存在しているからっていうふうに、あたしはここに来る方にいつも言うんですけど。誰も言うことを聞いてくれません」
飯田「でも、それもわかります、それも感じます」
マツコ「ありがとうございます。今までで一番物分かりの良い方だった。よかった」
飯田「食品ブームの中にですね、ジャムの相棒的なものがブームが来ているんですよ。まあティラミスとかタピオカとかありましたけど、カスピ海ヨーグルトですとか、高級食パンなんて、最近流行りましたね」
マツコ「まあでも確かに、ワッフルにもパンケーキにも全部ジャムつけて」
飯田「そうなんですよ。なのにこの中にジャムが入っていない。どういうことだと」
マツコ「いやだからこの子たちはそこにまだ満たない子たちが、そこにがんばってブームを起こして到達しようって。さっき言うこと聞いてくれたじゃないですか。またこういう人なの?」
飯田「いやいや、ブームが来てもおかしくないというジャム、今日は持ってきましたので」
マツコ「あたし怒らせちゃったみたいね」
飯田「私もですね、なにも無理にブームにならなくていいんですよ。本当においしいものは」
マツコ「ごめんなさい!もうわかりました。がんばってブームが起きるようにやりますので今日」
飯田「ぜひここはひとつ、マーマレードをご紹介させていただきたいと思います」
マツコ「まあ、身勝手。…冗談です。冗談」
飯田「ではこちらです。英国・ダルメインのマーマレードアワード&フェスティバル7年連続金賞」
マツコ「マーマレードアワードっていうのがあるの?」
飯田「はい。林敦子さん、『ユズ&青黄梅with梅リキュール』です」
マツコ「えっと、こうなってくるともうユズと梅なんじゃないですか?」
飯田「そうなんです」
マツコ「マーマレードなんですよね?」
飯田「はい、マーマレードなんです。ダルメインっていう場所は、マーマレードの聖地と呼ばれていて。17世紀からマーマレードの伝統的なレシピが伝わっている地域なんです」
マツコ「イギリスもジャム食べるもんね」
飯田「そうなんですよ。ジャム消費国。ジャム発祥の地といわれていて、大変歴史が長い国なんですけど。40か国、3000種類くらいのジャムが集まっている大会で、なんと日本人のこの林さんが金賞を7年も取っているんですよ。本当にこれすごくおいしいので、ぜひマツコさんに食べていただきたいと思います。こちらユズを使ったマーマレードなんですが、ちょっとひとすくいしていただいて。香りも嗅いでみてください。どうですか?良い香りでしょ?」
マツコ「脅迫ですか?」
飯田「あ、すみません」
マツコ「いや、いいんです。すごいなんか、ジャムの香りを嗅いでいるような感じじゃない」
飯田「そうですね。おっしゃるとおりです」
マツコ「こうちょっと、お酒っぽい」
飯田「そうなんですよ。この梅リキュールっていうのがですね、実はクラフトジンというお酒を使っているんです」
マツコ「せっかくだから、パン無しで」
飯田「いってください、そのままで。どうですか?」
マツコ「ウマい」
飯田「ああ、よかった。『ウマい』いただきました。うれしい」
マツコ「ウマいわこれ」
飯田「ですよね」
マツコ「あたし今1瓶食えるわ」
飯田「そうですよね。ジャムだけ10口、朝ごはんとかやっちゃうんですよ」
マツコ「それはやめたほうがいいと思います」
飯田「本当においしくって、ジャムの概念覆されるマーマレードなんですよ」
マツコ「パンが無いほうがいい」
飯田「パンが無いほうがいい?そうですか。うれしいですね。青黄梅っていうのがですね、青梅の酸っぱさから黄梅の完熟梅に移行するところの梅を使っているんですって。このユズも丁寧に湯がいてマーマレードにしていて」
マツコ「焼酎のソーダ割りとかに混ぜたい」
飯田「そうですよね。アルコール部門ですとか、リキュールとか。その部門で満点を取っているんですって」
マツコ「これはちょっと本当にもったいないから持って帰ろう。もうちょっと残しておけばよかったわ。半分以上食っちゃった。だから今まであんまりなんか大したジャム食ってなかったのね、あたし」
《今を逃すな!12月からが旬!進化したイチゴジャム5選》
飯田「次はイチゴジャムをご紹介していきたいと思います。旬のド真ん中、今を逃すな。甘味、とろみ、果実感、劇的な進化を遂げた国産イチゴジャム。12月ですよね。そうしますとイチゴがちらほらスーパーに並んできて、私たちジャムファンはもうすぐイチゴジャムの新作ができると思って、ワクワクする季節なんですよ。『これからだ』って」
マツコ「あら、一番イヤな時期にやっちゃった」
ナレーション「不動の人気ナンバーワン、イチゴジャム。高い競争率に揉まれ、従来のイメージを覆すイチゴジャムが次々誕生している。ここからは飯田さんオススメイチゴジャム5選をご紹介」
飯田「ではマツコさんに召し上がっていただきたいと思います。お願いします。今や日本のイチゴジャムはさまざまな進化を遂げていまして。これだけいろんなテイストがあります」
マツコ「見た目が普通っぽいのから食べたほうがいいわよね。これかね」
飯田「まずはそれみんなが大好きな定番のイチゴジャムで、あまおうを使ったジャムになります」
(謹製ジャムあまおういちご/セゾンファクトリー)
マツコ「ああ、でもザ・イチゴジャムよ」
飯田「こちらですね、プレザーブスタイルというジャムでして。ジャムの粒感を残して、イチゴの食感そのまま味わえるように作ったジャムになります」
ナレーション「イチゴの一番よい状態を見極め、甘さに合わせて砂糖の量を細かく調節。煮込み時間を短くすることで、いちごの素材感を引き出している」
マツコ「あんまり甘くない」
飯田「低糖度というジャムなんですよ」
マツコ「これおいしい」
飯田「糖度というのは普通65とか、それくらいで作られているもので。40くらいでも低糖度と呼ばれているんですけども、こちら糖度がですね33パーセントでございまして」
マツコ「本当だ。原材料名が砂糖の前にイチゴがきてる。おいしい。これくらいがいい」
飯田「健康とかカロリーが気になる方に、低糖度のジャムが今たくさん出回っている」
マツコ「そうだね、これも原材料名イチゴだね、まずね」
(あまおう85%ジャム/楽農ファームたけした)
飯田「そちら、85って書いてあるのはなんの数字だと思います?」
マツコ「イチゴのパーセンテージ?」
飯田「そうなんですよ。こちら85%も果肉が入っていて、果肉感満載のジャムになります。最近ですね、そういうイチゴの果実感、フレッシュ感を活かした、さらりとしたソース状のジャムっていうのもまた最近のトレンドなんですね。いかがでしょうか、こちらは」
マツコ「すっぱいくらいだわ。初めて。こんなに砂糖少ないジャム食べたの」
飯田「そして甘味の感じがちょっと優しいと思うんですけど、こちらきび砂糖を使っているジャムになります」
マツコ「ちょっとなんていうのかな。梅とかを食べたあとのスーって酸味が残っている感じの感覚が残るから、イチゴジャムっぽくないね」
飯田「続きまして、変化球ですね」
(越後姫と麹のおちち/Berries)
マツコ「なんかあんまり今まで見たことない色よ。麹か」
飯田「はい、そうなんです。こちらお砂糖を一切使わずに、麹で作ったジャムになっています」
マツコ「うわ、けっこう独特」
飯田「はい、召し上がってみてください」
マツコ「食べてもジャム感は無いわね。なんだろう、何に近いんだろう。麹の味のほうが強いかな」
飯田「私初めて食べたとき、本当に衝撃的だったんですよね。麹でジャムができるのかっていうね。変化球ですね。ジャムですよね」
マツコ「おもしろいね」
飯田「また違ったおいしさがありますね」
マツコ「これまたまた高度な。あ、バターか」
飯田「そうなんですよ。イチゴのジャムバターになっています
(北海道いちごバタージャム/NORTH FARM STOCK)
飯田「そのままいきましたね」
マツコ「ああ、バター感すごい」
飯田「そうですよね、やっぱりイチゴバター」
マツコ「もうなんだろう、イチゴジャムっていうよりはイチゴ味バター。唇がバター食ったあとの唇。これがどうなるかよね」
飯田「こちらがですね、2色になっているジャムなんですね」
(2層レインボージャム苺&伊予柑マーマレード/SOIL TABLE)
マツコ「じゃあこれ下といっしょにすくったほうがいいのかしら」
飯田「はい、ぜひ一緒に下まですくって2つの味をお楽しみください」
ナレーション「イチゴは愛媛県産の3種類をブレンド。マーマレードの伊予柑はあえて苦みを残し、イチゴの甘さを引き立てている」
マツコ「でもこれは混ぜたのが一番おいしいかも。混ぜるようにしてあるんだろうね」
飯田「そうですね。上と下の、そのジャムのマリアージュですね。それを楽しんでいただけるジャムです。一番を選ぶとなると、どのジャムでしょうか?」
マツコ「ごめんなさい。あたし弱虫なのでこれ(謹製ジャムあまおういちご)を選びます。あたしはね、非常に弱虫なんです」
飯田「それも本当においしい。もうド定番。定番中の定番の、おいしいイチゴジャムです。パクパクいけちゃうんですよ、そのジャム。ちょっと危険なジャムです」
マツコ「最近けっこうパンが甘いじゃない?これくらいでもいいかもね。これは本当に、あたしあんまりイチゴのジャムもそんなに食べるわけじゃないけど、これあったら毎回パン食べるときあってもいいかな」
飯田「そうですか。よかった。お気に入り見つけていただけて、よかったですね」
マツコ「いいかもね、この甘くないやつ」
《果物だけじゃない!新ジャンルおかず系ジャム》
飯田「ジャムの日本の種類別生産割合のグラフになります。こちら、2008年も2017年も」
マツコ「ちょっと待って。こんな変化ないの?」
飯田「そうなんですよ。これ見ていただいてわかりますよね。日本の三大ジャム。三強ジャムですね」
マツコ「三強ジャムって言い方もできるけど、やっぱりこうなってくると、ちょっとやっぱりジャムに関心があまりないですよね、みなさんね」
飯田「ですよね。もっといろんなジャムがあるのにもったいないと思うんですよ」
ナレーション「イチゴ、ブルーベリー、マーマレード。この三強時代が長く続くジャム業界。しかし今、そんなジャム業界に異変が起こっている」
飯田「日本の技術によりジャム業界に革命が。ニューウェーブジャム誕生」
ナレーション「ニューウェーブジャムとは、新たな素材を使ったジャムのことで、とろみの元になるペクチンが少ない食材は、ジャムにするのが難しかったが、技術の向上であらゆるものがジャムにできるように」
マツコ「唐辛子のジャム。ちょっとごめんなさい、意味がわからない。おいしいですか?」
(京の野菜ジャム赤万願寺唐辛子)
飯田「ご安心ください。おいしいですので、これは京都のお野菜ジャムでして。和の素材を使って。じつはこちらとろみづけされてるんですね。京都ならではの、ちょっとスイーツにも使われる」
マツコ「そしたら葛とか?」
飯田「はい、近いですね。実は米粉。言っちゃっていいですか?」
マツコ「『米粉』って言った後に『言っちゃっていいですか?』って」
飯田「ごめんなさい。実は米粉とですね、白あんが使われているんですよ。おもしろくないですか?」
マツコ「おもしろい。でもあのね、どちらかというと順子のほうがおもしろかった」
ナレーション「こちらのシャインマスカットも、ジャムにはしづらい食材だが、一度冷凍し煮る時間を短縮。寒天でとろみをつけることで、果実の味をいかしたままジャムにすることに成功」
(果実そのままジャムシャインマスカット/ジャム382)
ナレーション「さらにニューウェーブジャムは、パン以外の食材とも相性が良く、こちらのシャインマスカットジャムはサラダのアクセントに。レモンジャムは炭酸水で割ってレモンスカッシュがオススメ」
(農家のマーマレードたおやかレモン/観音山フルーツガーデン)
ナレーション「中でも飯田さんオススメのニューウェーブジャムが」
飯田「それはこちらになります。甘くないおかず系ジャム。淡路島クレイジーオニオンジャム。はい、ということで、これ私のイチオシのジャムでございます、マツコさん。もともと淡路島って、タマネギ有名なところですよね。ビンのフォルムを見ていただきたいんですけれども、コロンって丸くてかわいいですよね」
マツコ「でも中の色が全然かわいくないんですけれども」
飯田「ちょっとタマネギを連想しません?この形」
マツコ「まあでも匂いだけでいうと、本当に飴色タマネギの匂い」
飯田「そうですね。オニオングラタンスープみたいな匂いがすると思います。すごい滑らかですよね。バゲットによく合うんですよ」
マツコ「ジャムですかこれ?」
飯田「はい、オニオンジャムです」
マツコ「ジャムっていわれるから『えっ』て思うけど、じゃあなんだって言われると、わからないんだけど」
飯田「タマネギのジャムですね」
マツコ「あとクレイジーはいわゆるもうすごいペッパーがきいてる。おいしいよ」
飯田「おいしいですよね。なんかこれけっこう衝撃的ですよね。ガツンときますよね」
マツコ「野菜とかにつけたらおいしそうね。ディップの」
飯田「そういう食べ方もいろいろ広がるジャムですよね」
マツコ「これはおいしいかも」
飯田「とてもおいしい。今日はお料理にも使わせていただいておりまして。鶏肉のソテーにこのジャムを合わせたものをご用意していますので。ぜひマツコさんに召し上がっていただきたいです」
マツコ「これはウマいですよ。さっきのあれが鶏肉にかかってるんだもん。熱が通ると、常温で食べていたときよりも、なんて言ったらいいんだろう、タマネギ感が増すというか。たぶん香りが立つからだろうけど。鼻に抜ける感じとかが常温よりもタマネギが強くなって。これだから、いっしょに焼いちゃってもおいしいかもね。砂糖が入ってるから、照り焼きっぽくなるだろうし」
飯田「そうですね。よかった、たくさん召し上がっていただいて」
マツコ「これはおいしいですよ。そうですね、でもあたし、またなんかちょっと聞き分けの悪いこと言っていいですか?ジャムですか、これ?」
飯田「はい、ジャムです。これもジャムです。ジャムでございます」
《最高峰の職人が作る究極の国産ジャム》
飯田「続いてはこちらです。マツコさんにご提案。第二の人生、ジャム作りをしてみませんか?」
マツコ「そうですね、第五の人生くらいで」
飯田「第五ですか?私の老後もそうなんですけど、だいたいまあ同年代ということで。私には夢がありまして、自宅の一階をぶっ壊しまして、ジャム屋さんを作りたい」
マツコ「急にどうしてそんな乱暴な」
飯田「一階でジャム屋さんをやって、好きなものを好きなぶんだけ作って、売り切ったらおしまいっていう仕事にあこがれてまして。ジャムはですね、販売とかするには製造許可とかが必要で、お菓子屋さんとかよりはハードルが低くって、道具はそんな必要ないんですよね。ジャムが炊けるお鍋とヘラと、あとガスがあれば実はできるんですよ」
マツコ「確かにね」
飯田「そもそもですね、ジャムがこんなに日本でもいろいろ作られるようになったのには、とある人物がいらっしゃいまして」
マツコ「そんな方がいらっしゃるの?」
飯田「ジャムが有名になったっていうきっかけがあるんですね。こちらの方です。ジャムコさんご存じ?すみません、すみません、まちがえました」
マツコ「でもあんまり嫌いじゃなかったですね、今のは。これでもいいのかなって、今は一瞬思っちゃいました。いや、いいんですよ」
飯田「マツコさんご存じかもしれません。マツコさんいろいろ詳しいので。ではこちらの方です」
マツコ「知りません。ごめんなさい、どうしてこの方をご存じって」
飯田「ジャム界では有名な方なんです」
マツコ「ジャム界ではそうでしょうけれども」
飯田「こちらの方に足を向けて寝られません。クリスティーヌ・フェルベールさんです。ちょっとかわいらしいジャム界の妖精でしょ?優しい感じで。こちらフランスのアルザスにお住まい。車とかタクシーとか乗り継いでいかないと、行けないような所にある。村に一軒ある商店なんですよね。お皿とか、タバコとか、フルーツなんかを売っている」
マツコ「いわゆるだから万屋さんみたいな中にジャムコーナーがある?」
飯田「あるんですよ。この作り方を見せていただいたときに、なんとですね50センチくらいの銅鍋で、一つずつその鍋が5個くらい並んでいて、手作りで作られているんですよ。それが世界中で売られているって、すごくないですか?」
マツコ「一人でお作りになられているの?」
飯田「最初は一人だったと思うんですけど、私が訪ねていったらなんと工房に日本人がいらっしゃって。すでにお弟子さん、日本人の方が何名かいらっしゃった。ジャムの概念を覆すような、今まで甘くて硬かったジャムがもうフルーティーでお菓子のような。そしてもうジャムだけで食べても進んじゃうような。いわゆるサラッとしたフルーティーなジャムをコンフィチュールって呼ぶようになったのが、この方がきっかけなんですよ」
ナレーション「およそ20年前、フェルベールさんのジャムに衝撃を受け、ジャム作りを始める人が増加。なかには彼女に弟子入りする人まで。そんな中、飯田さんが尊敬してやまないジャム職人が」
飯田「こちらです。ジャム作りを始めてわずか6年で世界金賞。『旅するコンフィチュール』違克美さん」
マツコ「あたし50年の人生で‘違さん’という名字は初めてだわ」
飯田「ですよね。名前の通り、違いのわかる女でしてね」
マツコ「一個言っていいですか?あたし今言おうとしてためらいました」
飯田「あ、すみません、失礼しました」
マツコ「おっしゃっていただいてありがとうございます」
飯田「かぶっちゃいましてすみません。こちらが関内の」
マツコ「わ、きれいだね、ビンが」
飯田「きれいなんですよ。『旅するコンフィチュール』っていう違さんのお店です。すごいきれいですよね」
違さん「こんにちは、よろしくお願いします」
飯田「こちら工房だそうです」
マツコ「お若い」
飯田「マツコさん同い年くらいですかね。こちら『すだちと日本酒』っていう、日本の和素材で作ったジャムで、これが世界の金賞を受賞しているジャムなんですわ。きれいでしょ?」
マツコ「きれい」
飯田「見てください、こうやって手ですだちを一つずつ皮と果汁にわける。全て手作業でされているんだそうです。皮を煮こぼす、苦みを取る作業ですね。丁寧に3回繰り返すんだそうです」
マツコ「あんなにきれいになるんだ?色」
飯田「そうなんですよ。手作業で、味が違っちゃう、食感が違っちゃうので、1ミリ幅に切るんですよ。見てください、すごくないですか?この速さ、1ミリにチャチャチャっと切られて。全て手作業でやっているそうです。銅鍋使ってらっしゃいますね」
マツコ「こんなに手作りなの?」
飯田「ねえ。5分サッと煮て、色をきれいなまま仕上げるんだそうです」
マツコ「いやちょっと1000円って聞いたとき『えっ?』て思ったけど、これは安いくらいだね」
飯田「そうなんですよ。この中にすだちが20個くらい、大きいビンですと入っているそうなんですよ。すごいですよね」
マツコ「この手間暇考えたらね」
飯田「そうなんですよ。ちょっと変わったバルサミコですとか、洋梨とバニラですとか、いろんなおいしいジャムを作り出している作り手さんなんですね。こちら、今日その金賞とっているジャムご用意しております」
マツコ「日本酒のやつね。すだちのやつすごい興味ある」
ナレーション「オススメのジャム職人、違さんが作るすだちと日本酒マーマレードをマツコが実食」
マツコ「ビンに入ったときの、また光を当ててね、きれいにディスプレイされていた。これをだからああやって1個1個手作りして瓶詰してるんだもんね」
飯田「1瓶1瓶手で詰めてるんですって。すごいですよね」
マツコ「これは何?スコーン?」
飯田「今日はスコーンと」
マツコ「まずでもこれはちょっとこのまま、まず。…ウマい」
飯田「よかった。『ウマい』いただきました。よかった」
マツコ「なんていうんだろう、なんだろう、この最後に残る感じ。なんかね、甘いものなんだけど、もちろん。ちょっとなんか和食の、なんていうのかな、お出汁みたいな感じが最後にフーって残る」
飯田「最後に仕上げに日本酒をちょっと入れているらしいんですけれども。そのせいかちょっとすっきり感があるような気がしますね」
マツコ「全然塗るものによって違うね。これスコーンがおいしいかも。なんかさっき言った最後にフッて残る。残ったら残ったでいいんだけど、違和感でもあるのね。スコーンと食べるとそれが無いの。ヤダ、ちょっとジャム、奥が深いかも」
飯田「そうなんですよ。ああよかった。その言葉が聞きたかったんです。うれしい」
マツコ「ちょっとでも確かに、もうちょっとジャムのことみんな知ってもいいかもね。思っていたのと全然違ったわ」
飯田「そうですか。よかった。第二の人生、ぜひジャム屋さんも」
マツコ「まあでも自分で食べるぶんくらいは、ちょっとなんか那須あたりにでも家を建てて、裏山に果物の木を植えて、自家製のジャムを作るなんてのもありよね」
飯田「じゃあ一階の駐車場壊しますので、那須に住んで」
マツコ「ええ?あたし共同でやるんですか?商売ってなるとちょっとまた」
~完~